ホッピング旧
 『レモンケーキ』が再ブームになるなど、昭和に流行ったものが再注目されている。そこで一世風靡した昭和の玩具の裏側について取材した。

◆ホッピング

1957(昭和32)年ごろ流行

「1920年ごろにアメリカで流行っていた『ポゴスティック』というものを、言葉は悪いんですが、パクって作ったものが『ホッピング』だと言われています」

 現在『ポゴスティック』やそれが進化した『フライバー』を輸入販売するクリエイティブファクトリー代表取締役の安藤友規さんはそう語る。

 当時の『ホッピング』は特にどこのメーカーが作っていたというわけでもなく、大阪の下町にあるいくつかの町工場で作られていたというが’57 年に大流行することに。ただ『ホッピング』は『ポゴスティック』と大きく異なり、バネの位置が足を乗せるバーの下にある。路地裏で、公園で、校庭で子どもがピョンピョン跳ねる光景がよく見られたものだった。

 しかし、大ブームは一転、社会問題にすり替わった。

「胃下垂になる、脱腸になるなどという根も葉もない噂が立って、ブームは急速に終わりました」(安藤さん)

 ‘80 年に玩具メーカーのバンダイが人気キャラクターとコラボして『スカイホッピー』という商品を発売し、ブームが再来するが、それも長くは続かなかった。

「アメリカの子どもにとって『スケートボード』『マウンテンバイク』そして『ポゴスティック』は、いわゆる“三種の神器”なんですね。でもスケボーやマウンテンバイクと違って、ポゴは子どものころだけで止まっちゃうんです」(安藤さん)

 21世紀になり、体重85㎏の大人でも遊ぶことができるモデルも開発されて、現在では競技会も開かれるようになっている。競技で使われる『フライバー』の最上級モデルでは、ナント垂直で3メートルも跳ぶことができるという。