s-drrintaro
 堺雅人が精神科医役を演じて話題の『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)。不安障害、適応障害、うつ……。ストレスの多い現代社会では、心の疾患を抱える人は多い。患者の心にとことん寄り添い、新たな一歩を踏み出せるよう治療していく精神科医の姿を描いた同作。

 脚本は『花子とアン』、『ドクターX~外科医・大門未知子~』などを手がけたヒットメーカーの中園ミホ。

 診療を心待ちにする患者が多く、大物政治家などVIPも扱うスーパードクターの倫太郎。だけど、傲慢でも上から目線でもない。診療の効率化を求める病院側の主義に反してでも、時間をかけてひとりひとりの患者の心に寄り添う。

 妄想とも思える患者の発言も否定せず、苦境の中で頑張りすぎてしまう患者には“頑張らないでください”と声をかける。

「倫太郎がどんな言葉でどんなふうに患者さんと接していくのかが、本作の最大の見どころです」(次屋尚プロデューサー)

 スーパードクターなのに、完全無欠のヒーローでないのも特徴。“恋愛とは一過性の精神疾患のような状態”“精神科医にとって、恋愛は百害あって一利なし”と公言してはばからない恋愛下手。

「一般的な恋というものをわかっていても、彼には自分が恋をするという法則がないんです」(次屋P)

 医療にコメディー、ラブストーリーの要素もあるこのドラマ。今後の展開は?

「中盤以降は患者だけでなく、夢乃、百合子ら、彗南大学病院での、倫太郎と周りの人々との人間関係の変化に注目です」(次屋P)

 また、こんな進展も。

「倫太郎と夢乃の関係が新たなスタートラインに立つ感じで、これからご覧になっても入り込んでいただけます」(稲熊洋介AP)

 レギュラー出演陣がケタはずれに豪華なのも特徴。現場は緊張感でいっぱいかと思いきや、正反対。

「ふんわり、という言葉がぴったりの空気感です。あるスタッフが演者さんを“ふんわりせっかちさんばかり”と言っていたのですが、ある意味そのとおりだなと」(稲熊AP)

 行動が素早く、しっかりしている出演陣のおかげで、予定より早く撮影が終わることもあるが、バタバタ、ピリピリ感は皆無という。

「待ち時間は、お芝居の話で盛り上がることが多いです。堺さんはすごく気配り上手な方なので、場を盛り上げることもあれば、倫太郎先生のように穏やかにほかの方の話に耳を傾けていることも」(稲熊AP)

 医師と患者の距離感などを精神科医にアドバイスしてもらっていたり、古きよき昭和家屋の香りが漂う倫太郎の家のセットなど、細部へのこだわりにもご注目。

「心が疲れることが多い時代です。本作を見てクスッと笑ったり、倫太郎先生のような人がいてくれたらいいなと感じていただけたら。そして、ご家族やお友達との間で心が寄り添い合える関係を築くきっかけにしていただけたらと思います」(稲熊AP)