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 視聴率が苦戦している春ドラマ。キャスティング先行でドラマを制作しているのが、苦戦する原因だとコラムニストの今井舞さんは分析する。その“主演ありき”筆頭格が木村拓哉の『アイムホーム』(テレ朝系)。

「妻子の顔が仮面に見えるみたいだけど、入院中はいっさい、妻子の顔見てなかったの? 自宅が超広いけど、左遷されて収入減るから維持できないよね? とか、どーでもいいところが気になってしかたないんですよ。やたら料理シーンが多くて、お父さん役アピールも面倒くさいし。まあ、キムタク様のご主演の御ドラマでございますから、現場はもう気持ちよくやってもらうことしか考えてないんでしょうかね」

 火曜10時は『書店ガール』に『美女と男子』(NHK)、『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(TBS系)と3本がひしめき、水曜10時は『心がポキッとね』(フジ系)と『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)、こちらは心療内科ネタかぶりも発生。

「『美女と男子』が2クール、20話もやるってことに驚きましたわ。そんなに話もつのか? まあNHKなのでセットは豪華なんですが、いかんせん仲間由紀恵がハマってなくて……。彼女は早く2時間ドラマで主演する方向に行くべきですよ。あの大仰な演技は、クライマックスの崖で映えると思うんですけど」

 木村文乃主演の『マザー・ゲーム』には、リアリティが足りないと厳しい指摘も。

「『マザー・ゲーム』は木村文乃の息子がセレブ幼稚園に入園するきっかけが、園長の室井滋にたまたま声をかけられたという安易さ。名門幼稚園に入るには大変な思いをして子どもを塾に通わせないといけないはずなのに。そして今は“いいね!”を押すか押さないか、LINEを既読スルーできないということなどでお母さんたちは苦労しているのに、SNSの描写は一切なし。多数派に属していたと思っていた人が急に孤立するという“江角マキコ状態”がママ友関係では怖いはずなのにそれもなくて、全体的に古くさい手法と演出なんですよねぇ……」