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 東京五輪が開催される2020年には、訪日外国人観光客数2000万人を目指すと公言している日本政府。増加する外国人観光客をガッカリさせないためにも、われわれ日本人も変わらなきゃいけないところがあると感じている人も少なくない。

 茶懐石料理・和菓子教室『幸菜庵』を主宰する三ッ山幸子さんは、日本人の和食の認識について、こう苦言を呈する。

「『和食』がもてはやされていますけど、世界無形文化遺産に登録された理由ってご存じですか? 評価されたのは『食材と活かし方』『健康によいバランス』『自然と季節の美しい表現』『年中行事との密接な関わり』。単純にスポットを浴びている“うまみ”うんぬんだけではないんですね。美しさや、格調の高さだけではなくて、四季のある日本なりの、健康に気を遣った結果の料理だったりもするのです。外国の方に尋ねられても、その理由や由来を説明できる日本人って少ないのではないでしょうか?」

 外国人旅行客のほうが、よく研究していると感じるという。

「私は職業柄、築地市場によく行くのですが、旅行で来ている外国人の方がよく理解・研究しているような気がします。どうして自分たちは今これを食べているのかなど、もう1度『和食』の意義を見直してみてはいかがでしょうか」