一方で、超常現象とかって”科学”で説明できたりするんだろうか。答えてくれた人は、科学ライターの久我羅内さん。

■金縛りは”睡眠マヒ”

 金縛りにあうおもな原因は、“睡眠マヒ”です。睡眠マヒとは浅い眠りと深い眠りの周期の乱れによって起こるもので、意識だけがハッキリしている状態のことです。通常は深い眠りから浅い眠り、深い眠り……と続きますが、まれにその逆になることも。

 浅い眠りの状態では筋肉が弛緩しているので、身体は動きません。しかし、脳は活発に活動しています。そのときに霊的な何かを感じるケースもよく聞きますが、私は、その人の想像力も関係があると思っています。

■霊感は”幻覚悩”の作用?

 脳に“ゴッドスポット”を持っているかの違いです。それは左側頭葉にあると言われているのですが、別名で“幻覚脳”と言われるほど幻覚や神秘体験に関係している部位。よく心霊体験をする人は、おそらくゴッドスポットの持ち主で、これは生まれ持っているもののため身につけることは不可能。

 無自覚でも、何かの拍子に覚醒する場合も。カナダ・ローレンシアン大学のマイケル・パーシンガー博士によると、側頭葉の活動が不安定な人ほど心霊体験をしやすい傾向があると実験結果が出ています。

■心霊写真はほとんどが目の錯覚

 その写真の撮影条件とまったく同じ条件で撮らないと完全には科学的な説明はできませんが、ほとんどが目の錯覚で起こる現象です。例えば、いるはずのない場所に人の顔が写っている写真。これは“輪郭誘導現象”によるもので、人間は逆三角形のものを見るとそれを顔だと認識してしまうのです。

 ほかに身体の一部が透けてしまう写真は、光が十分でない場所で撮影したりカメラの露光時間が長くなると起こる場合が多い。さらに背景が明るければ明るいほど、身体が透過しやすいと言えます。

■ドッペルゲンガーは脳腫瘍が原因で見える場合も

 ドッペルゲンガーとは目の前にもう1人の自分が現れる現象のこと。ドッペルゲンガーを見ると死ぬ、なんて言い伝えもありますがそれはあながち間違いではなく、実は脳腫瘍が原因で見える場合があるのです。

 また、片頭痛持ちの人は、見てしまう可能性が高いと考えられます。ほかにも長年研究を続けているスイス・チューリヒ大学のピーター・ブルッガー博士によれば、ドッペルゲンガーと密接な関係があるのが“幻肢”。手足を切断した人が、ないはずの手足をあるように感じる現象のことです。