■Day-3 多数の幽霊が目撃される人造湖「神流湖」

 最終日、場所は埼玉県児玉郡。幽霊目撃の噂が絶えない神流湖を目指した。まずは飛び降り自殺の名所とされている橋を探すが、付近は街灯のない暗闇。

「あれじゃないですか?」

 M子がようやく橋を発見したが表記は別の名前だったため、さらに奥へ進む。荒れた山道を数十分走ったが、ついには行き止まりになった。そこで見つけたのが不気味な鳥居。車から降りて近づくと、

─パキ、パキ、パキ

 ある一定の間隔で、木の枝を踏むような音が聞こえる。まさか、こんな山道を人が歩いているわけがない……。しかしその音はやまず、ヒヤリとして車に戻る。

【写真】行き止まり地点に現れた鳥居は、まるで塗られたばかりのような赤色をしていた
【写真】行き止まり地点に現れた鳥居は、まるで塗られたばかりのような赤色をしていた
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「これ以上の前進は無理ですね。戻りましょう」

 だがここは、車1台通るのがやっとの幅だ。

「やだやだ、こんなところで死にたくない~」

 騒ぎ始めるM子に、

「集中したいので静かにしてもらえますか」

 と、W氏。転落したら死にかねない。そんな細道をバックで1キロほど後退して、ようやく元の道へ。

「あれじゃないですか?」

 私が工事中らしい橋を見つける。封鎖されていたので気づかなかったのだ。中に入れなければ幽霊も出てはこれまい……。

【写真】飛び降り自殺の名所の橋は工事で封鎖中だった
【写真】飛び降り自殺の名所の橋は工事で封鎖中だった

 車に戻り、次はダムへ。この場所も自殺者が多いと言われており、橋の手すりには花束が置いてあった。橋の下を覗くと水音がゴウゴウ鳴っている。そのそばにはダム建設時に事故で命を落とした方々を供養するための慰霊碑があり、タバコが1本お供えされていた。

「では帰りますか」

 取材の終わりを実感していたまさにそのとき、運転していたW氏が突然の流血(鼻血)。これこそ、幽霊の仕業かもしれない─。