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 人気の戦国武将・真田信繁(幸村)を三谷幸喜が描く大河ドラマ『真田丸』で、信繁の父親・昌幸を演じている草刈正雄。

「真田幸村は日本人が一番好きな武将のひとりですよね。『大坂夏の陣』で死を覚悟して徳川家康を討つために敵陣に切り込んでいく。そんな“死に花を咲かせる”というところが日本人の心に響くのだと思います」

 久しぶりの“戦国大河”と、視聴者の期待を受けて始まった第1話の視聴率は、19.9%。その物語で視聴者の目を奪ったのが、真田家当主として剛柔併せ持った“知将”昌幸の圧倒的な存在感だった。「草刈正雄の昌幸から目が離せない!」という声が上がる中、本人に話を聞いた。

「昌幸という人は初めは調子者なのかな、とかいろいろ考えたんですけど、あまり深く考えてしまうとキャラクターの持っている自由さがなくなってしまう気がしまして。昨日言っていたことと今日言うことが違うようなキャラクターですけど、僕自身もコロコロとよく変わるんですよ(笑い)。

 三谷さんは脚本を当て書きで書かれると聞きますけど、僕のことをよく見てらっしゃると思いますね。僕だけではなく、それぞれの役者さんの特徴をとらえていて、そのいいところを引き出してくれる脚本だと思います」

 今回の大河は、家族の絆というものにもスポットを当て描いている。主演の信繁を演じる堺雅人が、真田家の描かれ方を“ホームドラマのよう”と話していたことを草刈に伝えると、こんな答えが。

「たしかに信繁や、長男の信幸(大泉洋)と、親子3人で話すシーンが多いんです。そこで息子たちとこれからのことを話し合い、ときには僕が泣きついたり(笑い)。自分をさらけ出すような、そういう人間味のあるシーンが多いですね。親父の生き方を息子たちがどう感じて、真田という家を残すために家族がどう行動していくか。

 戦国時代、武将たち男親は、子どもを育てることにほとんど関与していませんよね。そんな時代に、父親を中心に家族みんなの関係が密になっているというところは、今回のドラマで面白い部分になっていると思うんです。

 撮影以外のところでも、3人でよく話します。難しい話ではなく、雑談ですけどね。そんなときはお互いを役名で呼んだりもしますし、父上、洋ちゃん、堺くん、と呼び合ったりもします。いい雰囲気ですよ」

 現場から離れたときもキャスト同士の関係は密だという。

「最初の撮影がロケーションで泊まりだったんですよ。そのとき、みんなで焼き肉を食べに行きました。最初にロケーションから始まるというのはいいですよね。宿も一緒だし、そこで役者同士いい関係を作れますから」