【タイムリー連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】かつては電脳アイドルとして、近年では過激な発言とともに精力的に反原発を訴える活動を行い、そのアイコン的存在としても知られていた千葉麗子さん。しかしこの度、刊行された『さよならパヨク チバレイが見た左翼の実態』(青林堂)において、反原発から態度を一変。ともに活動を行っていた仲間たちの実態を暴露する形となった。

ノイジーマイノリティの声はなぜ響く

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『さよならパヨク チバレイが見た左翼の実態』(青林堂)

 反原発活動を行っていた千葉麗子さん。自らヌードになって反原発を訴えていたこともありました。以前、果たして脱ぐ必要まであったのかと私がツイッターで疑問を投げかけたところ、彼女から罵倒されるという一幕もありました。

 それほどまでに強い意志を持って反原発を訴えていた彼女が、今回、かつての仲間を裏切る形で暴露本を刊行しましたよね。

 彼女一人に限らず、反原発活動のなかで不安や危機感を過大に煽っておきながら、自らの言葉に対する責任も取らず、いつの間にか態度を変える、という人は少なくありません。

 原発問題を巡っては、国ばかりがその責任を問われていますが、こうしてただただ不安を煽った人びとに責任はないのでしょうか。

 弱者、マイノリティの側に立っているように見えて、ただ自分に有利なように恐怖心を煽る人びと。こうした人びとの特徴のひとつとして、反原発といいながら、反権力、反政府といった政治的イデオロギーをセットにして活動しがちだという点があげられます。

 それがゆえ、メディアや野党としては支持がしやすい。つまり、彼らの活動を支える構造が容易に作られてしまい、その声も響きやすくなるんです。

 なかには自分の利益だけを求めた、いかにもうさんくさい団体や専門家がいるにも関わらず、反権力というだけで安易に乗っかったり、その声を伝えてしまうんです。

騙されないために

 こうしたいわゆるノイジーマイノリティの活動は、一見弱者に寄り添っているように見えますが、風評被害をはじめとするさまざまな差別を生み出します。

 さらには、Facebookやtwitterの存在によって、過激な情報やデマは拡散されやすく、情報の選択がうまくできない、リテラシーの低い人たちは、すぐに彼らのターゲットに。無責任な発言に振り回され、過度に不安を持ってしまい、あまり信用ならない美容健康法に走るような人たちを生み出す原因ともなっています。

 一人一人に問われる、情報の選択という問題。そこで今回私が言いたいのは、反原発活動を率先して行っていた人でさえ、簡単に態度を変えてしまうのだということ。明確に答えが出ていない状況においては、安易にひとつの意見を信じてしまうのではなく、ときには反対の立場に立ってみて、多角的にものごとを見る必要があるのだということです。

《構成・文/岸沙織》