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 TBSラジオの人気番組『六輔七転八倒九十分』が今年6月に終了することが発表されたのは5月9日の放送だった。番組タイトルには“永六輔”の名前がついているが彼は現在、病気療養中で番組を休んでいる。

「番組が終わるのは残念です。どうにかなりませんか!」

 この日の放送では、永の所属事務所から届いた手紙が紹介された。手紙によると、彼は昨年の秋ごろから背中の痛みが強くなり、今年の2月から番組を休演。背中の痛みは手術によって軽減されたが、治療を受けていた間に肺炎を併発してしまった。完治はしたが、その間は絶食を余儀なくされたため、体力が低下。現在は自宅療養中だという。

 さらに、《パーキンソン病ということもあり、十分な体力回復にどれくらいかかるかはまだ目途がついていない。いったん自分の名前の付いた番組は締めくくりをさせていただきたい》と綴ってあった。

 番組終了の発表を受けて、

「ツイッターを中心にネット上では番組が終わることを惜しむ声だけでなく、彼に向けてたくさんのエールが送られています」(スポーツ紙記者)

 番組にもリスナーから手紙やファックス、メールが大量に届き、その大半は冒頭にあるように番組の継続を懇願するものだという。

 そんなリスナーたちの熱い思いが届いたのか、番組の継続が急きょ決まったというのだ。6月6日の放送で、進行を務める外山惠理アナから発表があった。

「たくさんのお手紙、メールが、毎週毎週届いています。結果なのですが、7月からも続くことになりました。みなさんのおかげです」

 ただ永の名前はタイトルからははずれるため、形の上では別番組となるが出演者は現在のまま。また、番組内で毎週流れる過去の放送分の永の声は、「7月からも流させていただきます」(外山アナ)という。

 リスナーの強い後押しが実を結んだ結果だ。

「珍しいケースですね。番組が終了するときは、次の番組が決まっているのが普通です。リスナーからの要望が強いからといって、簡単にひっくり返ることはありません」(ラジオ局プロデューサー)

 しかしそんな“珍事件”が起きたウラには、こんな事情もあった。

「永さんの復帰が突然白紙になり、しかも名前をはずしてほしいという要望があったので、番組を変えざるをえなかったわけです。ただ急な話でしたから、とりあえず今の出演者でなんとか凌ごうと考えていたんでしょう。番組継続は、うまくリスナーの反響に乗ったかたちです」(芸能プロ関係者)

 TBSラジオの広報部は、こう話す。

「リスナーの声などを勘案してこのようになりました。永さんがお辞めになるのはイレギュラーな話でしたから、番組が終わるということを発表したときには、次の番組のことは考えてはいませんでした」