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 昨年5月、宝塚歌劇団を惜しまれながら卒業した元星組トップスターの柚希礼音。

「退団して1年以上になりますが、次から次へと何かしていないと心配になるという、宝塚時代の感覚はまだ残っていますね(笑)」

 在団時を振り返りながら、近況を直撃した。

「宝塚のときは、全力疾走でいただいた演目を毎回なんとかゴールしていたという感じでした。今はペースがゆっくりになったぶん自分の身体や精神をリセットしてメンテナンスする時間だ、と自分に言い聞かせている感じですね」

 退団したら世界1周旅行がしたい、と話していた彼女。最近はどこかに行った?

「番組の収録ですけど、アルゼンチンに行ってきました。退団してから、本格的にタンゴをやり始めたのですが、本場で先生には怒られまくり、心は折れまくりでした(笑)。

 タンゴって、踊っているふたりの中にストーリーがあるんですよ。ほかのダンスも好きですけど、情熱、愛、いろいろなものが見え隠れしていて“このふたり、絶対何かある”と(笑)、心情が伝わってくるところにすごく惹かれるんです」

 先生からはタンゴを踊るなら“恋人”をつくれと言われていたそうだけど?

「タンゴで踊るパートナーとは、絶対にそういう関係になるんですって。私ですか? それは追い追いということで(笑)」

 大好きな旅行で、また行きたい場所は?

「イタリアの『青の洞窟』はすごくキレイでした。天候などの条件が合わないと見られないんですけど、運よく洞窟に入れたんですよ。あと、アイスランドで見たオーロラもよかったですね。でもハワイとか南の島でのんびりするのがいいかな(笑)」

 そんな彼女が、退団後ミュージカル初主演として取り組む作品が『バイオハザードーヴォイス・オブ・ガイアー』。『バイオ~』といえば、ホラーアクションゲームとして大ヒットし、ハリウッドでも映画化された人気のタイトル。

「ヒロインのリサ・マーチンを演じさせていただきますが、女性なのにカッコいい、ヒーローみたいなヒロインです。私はゾンビとか怖いものに対して、向かっていくより隠れてやり過ごしたいタイプなので(笑)、リサのように立ち向かっていく女性に憧れます。

 目に見えるカッコよさだけではなく、リサの内面を理解しながら、女性が憧れる女性を演じたいと思っています」

【作品情報】
ミュージカル『バイオハザードーヴォイス・オブ・ガイアー』
全世界で6800万本売れた人気サバイバルゲームが、誕生20周年の今年、オリジナルミュージカルに。ゲームの世界観そのまま、豪華キャストがゾンビ相手に“生き残り”をかける。赤坂ACTシアター(9/30~10/12)、梅田芸術劇場メインホール(11/11~11/16)。7/23チケット一般発売開始。

撮影/坂本利幸