■夜行バスで歌のレッスンに通う日々

 そして、“全力で応援するから2年間は死ぬ気でやり、ダメなら引退しなさい”と言われたんです。それで、社長が管理する楽曲から20曲ほど聴かせてもらい、『やる気節』と『四国旅情』を歌わせていただけることになったのです」

 夜行バスで自宅のある静岡から福岡へ、歌のレッスンに通ったやしま。新天地から再出発した彼女に歌の女神が微笑むことになる。

「初めはマイナーでCDを出す予定だったのです。ですが、『やる気節』を聴いた日本クラウンさんが、“メジャーで行きましょう!”と言ってくださり、怖いくらいにトントン拍子で話が進んだのです」

 『やる気節』の作曲は、『南部蝉しぐれ』『浪花節だよ人生は』の四方章人。そして制作陣には氷川きよしや細川たかしを担当したトップディレクターが就任する。文字どおり、メジャー歌手にふさわしい超一流の人たちが彼女をバックアップした。

「メジャーデビューして、本当に何もかも変わりました。意識とか、考え方など。いままで応援してくださったお客さまからは“生き生きしてきたね”って言われます」

 今年4月には健康食品のCMで女優の市原悦子と共演。着々とメジャー歌手として活動の幅を広げている。

「市原さんとお話しさせていただいたら“本当に歌が好きなのね”っておっしゃってくださったんです。市原さんは舞台の照明や立ち位置など、妥協することなくスタッフさんと相談されていました。超一流の方の仕事に対する姿勢を間近で見させていただき、すごく勉強になりました」

 メジャーとなった今も変わらず続けていることが、車でのキャンペーン巡りだ。音響機材などを載せたワンボックスカーをひとりで運転し、全国を回っている。

「4年前に新車で買った車は今では20万キロを超えています。マネージャーさんなんていませんから、何でもひとりでしないといけないんです。でも、ファンの方が機材をセッティングするのを手伝ってくださったり、中には自宅に泊めてくださる方もいる。本当にファンのみなさんには感謝しています。

 『やる気節』は本当に私の等身大の歌です。お客さまに元気になってもらおうと思いながら歌っているんですが、逆に元気をもらっています。やっとメジャーの舞台に立たせていただいたので、これから“やる気全開”で頑張っていきます!」