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 「炒め野菜に発がん性物質のリスクあり」という最新研究が内閣府より発表された。実は、栄養たっぷりの野菜であっても、調理法次第で毒にもクスリにも変わってしまう。

 肝臓病に効果的な食べ方とは?

「肝臓病には、ブドウ糖やポリフェノールを多く含む、野菜や果物のしぼりたてジュースがおすすめ。実際に、野菜ジュースを大量に飲むことを推奨している済陽式食事療法では、肝臓がんの治癒率は高い割合を維持しているんですよ」(西台クリニック院長・済陽高穂先生)

 数ある野菜のなかで、特におすすめは?

「肝臓の働きを助け、有害物質を解毒するグルコシノレートを含む小松菜。強力な抗酸化成分が、肝臓の病気に有効に働きます。アクが少なく、下ゆでが不要なので、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に野菜ジュースでいただきましょう」(済陽先生)

 また、ビタミンB1が豊富に含まれる玄米も効果を発揮するという。ビタミンB1は野菜類にはあまり含まれないため、主食として玄米を摂取するのがおすすめ。玄米には、抗酸化作用のあるビタミンEや必須ミネラルのセレンも含まれている。

「反対に控えるべきは、動物性タンパク質や脂質。代謝時に肝臓に負担がかかりすぎるため抑えたほうがいいでしょう」(済陽先生)

 風邪の予防には、きのこやヨーグルトがおススメ。

「風邪の予防には、免疫細胞を活性化させることが大切。免疫力を高めるβグルカンを含むきのこ類や、腸内環境の改善に役立つ乳酸菌を含むヨーグルトの摂取が効果的です」(済陽先生)

 風邪の初期症状には、身体を温め発汗を促すねぎが◎。また、ビタミンCも身体の支えになるのでキウイフルーツやレモンを積極的に摂取しよう。

「じゃがいももビタミンCの含有量が多いため、おすすめ。本来、ビタミンCは熱に弱く水溶性ですから、調理中に失われることが多い。でも、じゃがいもに含まれるビタミンCはでんぷんに守られているので、加熱しても失われにくいという特徴があります」(済陽先生)

 煮崩れしやすい男爵はポテトサラダに、煮崩れしにくいメークインは煮込み料理と、使い分けて。

 糖尿病予防についても聞いてみた。

「糖尿病予防には、血糖の上昇の反応度合いを示すGI値の低いものを摂取し、食後の血糖値をゆるやかにすることが大切です。精米した白米やうどんはGⅠ値が高いため、できれば主食は玄米やそばに切り替えたいですね」(済陽先生)

 ほかにGI値が高いのは、じゃがいもやにんじんなどの根菜類や、乳製品、精白糖のほか、お菓子全般。

 済陽先生によると、血糖値を上げる食品と一緒に摂取したいのは、大根。大根に含まれる消化酵素であるジアスターゼが、糖質、タンパク質や脂質の分解を促すのだ。おすすめのレシピは大根おろしもち。たっぷりの大根おろしが、おもちの消化を助けてくれる。

「白米を食べるときも、抗がん効果のある焼き魚と、大根おろしを一緒にいただきましょう」(済陽先生)

 また、農研機構果樹研究所と浜松医科大のチームによって、みかんをたくさん食べる人は、毎日は食べない人と比べて糖尿病の発症リスクが57パーセント低い、という研究結果が発表された。

「これは、みかんに多く含まれるオレンジ色の色素βクリプトキサンチンが、肝臓の炎症抑制や脂肪細胞でのエネルギー消費促進などの働きをすることが影響しています」(済陽先生)