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 認知症を予防する生活習慣について脳の専門医・田澤俊明先生(新都心たざわクリニック院長)に聞いた。ハードな動きは必要なし。寝ころんだまま、指先だけなど、室内でラクに脳を活性化する方法を教えてもらった。

・「ナンバ歩き」で身体と脳の左右バランスを調整

 ナンバ歩きとは、右手と右足、左手と左足が同時に前に出る歩き方。右半身と左半身を交互に動かすため、左脳・右脳がリズミカルに刺激される。身体の上下動がほとんどなく、足への衝撃も少ないため、腰やひざが悪い人でもOK。

【やり方】

 腕を身体に沿って自然に下げ、前に出す足と同じ側の肩と腰をわずかに前に出す。腕を大きく振る必要はなし。足は、地面から高く上げないで、“すり足”を意識し、つま先から着地する。室内で行ってもよい。1日30分を目標に。

・「いろは体操」で血流アップで脳血栓を防ぐ

 血流が滞りがちな脚を動かして血流を上げ、脳血栓や脳梗塞につながる血栓を防ぐ。また、脚の屈筋、支持筋など緊張性の筋肉を使い、筋肉と脳の神経回路を活性化。

【やり方】

 あお向けに寝る。片脚を曲げて立てたひざの上に、反対側の脚のアキレス腱を乗せる。すねを動かさず、足首から先だけをできるだけ大きく動かし、「い」から「ん」まで48文字を書いていく。反対側も同様に。

・「親指小指トレーニング」で運動系の脳領域を活性化

 両手の指を同時に使う&左右で別の動きをすることで、記憶をつかさどる海馬のトレーニングに。脳内のネットワークがイキイキと活動するようになり、手先の動きもスムーズになる。

【やり方】

 ①顔の前で両手を握る。②右手は親指を立て、左手は小指を立てる。③両手を握る。④右手は小指を、左は親指を立てる。⑤両手を握る。1~5を30回繰り返す。慣れてきたらスピードを上げたり「人さし指+小指」、「中指+小指」という組み合わせで難度をアップ。

◎教えてくれたのは脳の専門医・田澤俊明先生

 新都心たざわクリニック院長。日本脳神経外科学会評議員・専門医。脳外科医として3000例という豊富な執刀経験を持つ。現在は脳卒中防止のために尽力。日本体育協会公認のスポーツドクターでもある。著書に『脳は死ぬまで進化する』(主婦の友社)など