野菜の価格を左右する3要素は、どれもが不安定といえそう。

「そんな価格高騰に備える意味でも、自宅での野菜作りはいいですね。家計の負担の軽減にもつながると思います。それに、もし震災が起きたとき、“自宅に食べられる野菜がある”という安心感はかなり大きいのではないでしょうか」

 園芸家の深町貴子さんは、家庭での野菜作りの魅力をこう語る。

「自分で野菜を育てれば、種まきから収獲まで見守ることができます。そして、おいしくて安全なものを、新鮮なうちに食卓に並べられます。使いたいときに必要な量だけを収獲できるので、余らせてしまうこともありません。野菜を育てる楽しさ、収獲の喜びを多くの人に知ってもらえたらうれしいです」

 また、表のとおり、実際に野菜作りをしている人の“始めたきっかけ”は、「おもしろそう」「節約」「安心」「安全」という声が上位を占めていることがわかる。

「趣味で月に5000円使うとします。たいていは“楽しんで終わり”だと思いますが、野菜作りは楽しんだうえに、収獲したものが夕飯の一品になったり、薬味になったり。そういうお得度はあると思いますよ」(タキイ種苗株式会社・広報出版部の桐野直樹さん)

 多くの種や苗が出回るこの時期は、まさに野菜作りの始めどき。というわけで、まずはおすすめの野菜を3つ紹介。

【レタスミックス】

サラダの定番・レタスには赤葉や緑葉、フリルタイプ、シーザーサラダに欠かせないコスレタスなどいろいろな種類が。これらをミックスした種なら、1度にいろいろなレタスが味わえてお得。ベビーリーフなら10日目くらいから収獲可能。少しずつ収穫すれば、フレッシュなサラダが1〜2か月楽しめる。

【ミニトマト】

人気No.1のミニトマトは丈夫でほとんど失敗がなく、成長もスピーディー。あんどん支柱を立て、茎をぐるぐる巻きつけながら育てると、コンパクトで邪魔にならず、実にもしっかり日が当たって甘いトマトが収穫できる。

【ゴーヤのグリーンカーテン】

ラニーニャ現象で、今年の夏はより一層暑くなるとか。そこで、ぜひ挑戦したいのがグリーンカーテン。葉が日差しを遮るのはもちろん、根が吸い上げた水分を葉の裏側から放出(蒸散)することで温度を下げ、20%以上の節電効果があるとも言われている。初めての人は、定番のゴーヤからスタート。