kumamotojishin0419

 東日本大震災の衝撃も冷めやらぬうちにやってきた、熊本の大震災。地震列島・日本では、どこに住んでいても他人事ではない。備えや心構えなど、地震対策について街の人に話を聞いた。

「衣服と違って靴だけは替えがきかない! 万が一のときに備え、登山用のトレッキングシューズを用意しています。せっかく買ったので試しに歩いてみたら、低山ハイキングにハマってしまい一石二鳥です」(50代・女性)

「懐中電灯にホイッスルを結びつけています。閉じ込められてしまったときや、声を出すことができないくらい体力を消耗したときに役立ちしますよ」(30代・男性)

「携帯用トイレや生理用品が足りなくなると耳にしました。わが家は夫を除くと女性ばかりなので、多めに常備しています」(40代・女性)

 備蓄だけではなく、購入方法についてもこだわりを見せる人も。

「レトルト食品や缶詰はできるだけ栄養価や味のよいものを買うようにしています。登山用品店に置いてあるものは少し割高ですが、福祉・介護用の食品は比較的安く栄養価も高いスグレモノ。父の介護でこんな思わぬ発見があるとは!」(50代・女性)

「神様、仏様、100円ショップ様です! 救急セット、簡易トイレ、防寒シート、USB充電専用ケーブル、乾物などなど、災害時に役に立つグッズが100円でかなりそろえられますよ!」(30代・女性)

 備品を集めるだけでなく、情報を集める人も多数。

「災害用伝言ダイヤル『171』に電話をかけると伝言が残せます。自分の電話番号を知っている家族や友人が伝言を再生できる仕組みになっているので安否確認に便利。家族を心配させない配慮もしておかないと」(20代・男性)

「停電時や災害時に公衆電話を無料で使えることを知っている人は少ないですよね。自分の置かれた状況をTwitterなどに投稿すればSOSの連絡になるので、両親の携帯電話をスマホに変えさせました」(30代・女性)

「石破茂議員の『防災省の創設検討を』との提案に賛成です。善意やボランティアで手助けするには、日本はあまりに天災が多すぎる。他国からも関心を集めるような防災のロールモデルを日本がつくっていくべきだ」(60代・男性)

 “備えあれば憂いなし”とは言うが、実際に大きな地震に遭遇したらどうなってしまうのか……。どれだけ警戒しても「怖い」「不安」という声も尽きない。

「熊本地震の報道を見ていて、突っ張り棒がグシャグシャになり、家具の転倒防止用品がはずれている画像を見ました。準備や対策を講じていても、天災は人知を超えるもの。わが家はペットを飼っていることもあって不安だらけです」(50代・女性)

「減災をするには心の準備しかないと思います。どれだけ食料や水を用意しても奪われるかもしれない。震災後に襲うだろうストレスにも耐えなければいけない。天災に抗う方法は強い心を持つしかないと思う」(50代・男性)