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 世の中にはさまざまな人がいるが、すぐ不機嫌になる人は厄介。面倒なのが、彼らが不機嫌になっている理由がわからないこと。こちらは悪いことをした覚えなどないのに、なぜか、怒っていて理不尽な態度をとったり、不愉快な言葉をぶつけてくるのでとても困る。

 そんな、不機嫌な人を理解する方法を、LGBTであることを公表して活動する心理カウンセラーの村上裕先生にアドバイスしてもらった。

【マウンティング】モノほめ系の人は基本的に他人を認めない

 モノはほめるけれども、人はほめないという人があなたの周りにいませんか? 例を挙げると、「そのバッグいいわね」がモノをほめる言葉で、「そのバッグ似合ってるわね」が人をほめる言葉です。モノほめ系の言葉が多い人は、基本的に他人を認めない人が多いようです。

 パートナーの自慢をするにも、こんなボケたところがあるといった笑い話をせず、学歴や就職先など、スペックばかりを並べる人も要注意です。これも人をモノとして扱っています。

 こういう人は、プライドが高い一方で、自己肯定感は低いのが特徴です。自己肯定感が低い人は「投影」で他人の価値も低く見積もるので、素直なコミュケーションが起こりません。他人は肯定しないのに、自分はほめられたがるタイプで、それがうまくいかないと急に不機嫌になったり、こういう傾向の人たちが集まるとマウンティングが始まります。

 モノの会話をしているのか、ヒトの会話をしているのか。これで要注意人物を見分けて、近寄らないのがベストです。

【心理ゲーム】否定の言葉を繰り返して永遠に会話が終わらない

 心理ゲームで最もポピュラーなものが「イエスバットゲーム」です。例えば、「なに食べたい? 中華?」と聞かれた際に「中華もいいけど、カロリー高そう」「イタリアンもいいわね。でも、今日はその気分じゃない」とか、イエスと答えていながら、直後に否定の言葉を繰り返して永遠に会話が終わらない状態をいいます。

これは人と関わることがしたいだけで、愛情飢餓があると起こります。

 ほかには「あなたのせい」ゲームもあります。例えば、パートナーが不機嫌な様子で帰宅した際がわかりやすいでしょう。仕事で嫌なことがあったのは歴然ですが、なぜかあなたに当たり散らします。聞いてみれば、朝のあなたのひと言で気分を害したのが遠因だという。誰が聞いても八つ当たりですよね。

 一番よいのは、まずはその場を離れること。関わりにならないのが一番です。しかし、その人と関わらなくてはいけない、サポートしたいという関係性であれば、話を聞くことです。その際は、相手が腕組みを始めたり、まばたきが多くなるなどのサインを見逃さないで、適切に対処してください。

◎プロフィール

むらかみ・ゆたか 2007年に東京都内にカウンセリングルームP・M・Rを設立。さまざまな鑑定から、LGBT当事者のみならず、男女のカップルや男女の夫婦からも多くの心理相談を引き受ける。現在は、全国規模でのカウンセラー養成や心理学講座、ワークショップの開催を行っている。

イラスト/アライヨウコ