20160423fukinshinfifi2

 2011年以降、番組の低視聴率やネットバッシングで、今ではすっかり凋落した様相のフジテレビ。月9ドラマや定番バラエティなど、かつては高視聴率を獲得していた番組すらもいまひとつ勢いに欠ける。そんなフジについて、今回はテレビドラマの辛口評論でおなじみのコラムニスト・今井舞氏にインタビュー(以下、今井氏)。

 フジテレビが傾くきっかけは、巷間いわれているように、「お台場への引っ越し」が発端だと思う。

 あんなバベルの塔みたいな不便な楼閣に引っ越したせいで、フットワークが重く→アンテナ錆びる→自分の足で人を探さず上から目線→近隣の店を通して得ていた庶民感覚も消失→目に入るのはワンマン社長が設置した妙ちきりんな泉……と、もうマイナス面しかないわけである。

 そんなフジの斜陽に拍車をかけているのが「コネ入社」なのではないか。いや、それはフジに限らず、どこの大企業にもあり、お偉いさんや有名人の子どもは当たり前のようにザクザク入社しているのだが。

 どこもそーっとやっているのである、よそは。

 なのにフジだけ、藤井フミヤの息子をアナウンサーにしたり、「コネ入社あり〼」を隠そうともしない。どころか「親も参加しての入社式」なんつって、そこを強調・喧伝しているんである。この市民感覚との乖離が恐ろしい。

 ダサさはあえて承知で、既得権益がぐるぐる回っているところを見せたいのかもしれないが。貴族の蹴鞠みたいに。だからフジテレビに入社することが、視聴者側にはもう「利益」に見えてないんだって。

 そこらへんがどうしても理解できないフジテレビ。フジにあらずんば人にあらず。

 入社式で、息子を見守るフミヤの晴れ晴れとした表情といったら。わが世の春。フミヤだけでなく、あそこにいた全員が「手堅く行けたぞ」って喜んでるんだろう。そこ、お台場の砂利で作った砂上の楼閣なのに。10年もたんぞ。