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 福山雅治の3年ぶりとなる連続ドラマ主演作で、結婚後初のドラマとしても話題の『ラヴソング』(フジテレビ系・月曜夜9時~)。

 夢破れた元プロミュージシャンで臨床心理士の神代広平(福山雅治)と、吃音に悩み人とのコミュニケーションが苦手な女性・佐野さくら(藤原さくら)。そんな2人が出会い、音楽を通じて心を通わせていくヒューマン&ラブストーリーだ。

 フジテレビ系の“月9”といえば王道のラブストーリーで注目されてきたが、草ヶ谷大輔プロデューサーは今作を“今までにないヒューマン&ラブストーリー”と胸を張る。

「さくらは神代に一方的に憧れているけど、彼はさくらを見守っていくスタンス。片思いなんです。本作ではいわゆる男女間の恋愛より、人と人との絆、人間愛を描いています」

 大きな見どころは、主題歌をはじめ、ミュージシャンでもある福山が書き下ろした楽曲の数々と演奏シーンがふんだんにあること。

「私たちドラマのスタッフは音楽にはそれほど詳しくないので、福山さんにもアドバイスをいただきながら撮影しています。第3話(4月25日放送)の、さくらがレコード会社のスカウトに注目されるというシーンでは、プロを圧倒させる曲はどれか? 藤原さんの声に合う曲はどれか? を一緒に考えてくださいました。

 ほかにも、この曲は立ったほうがいい、座ったほうが歌いやすいなどのディテールは、プロのミュージシャンならではのご提案なので、とても参考になります」

 音楽アドバイザー的な存在になっている福山だが、ドラマ全体にかける情熱も人一倍。台本を熟読して、アイデアを提案することもある熱心さという。

 一方、藤原は約100名のなかから選ばれ、演技初挑戦だが、草ヶ谷プロデューサーは大絶賛する。

「映像になったときにこんなに人の心を打つ芝居ができるのかと驚きました。当初は演技経験が少ないというところで多少不安な部分はありましたが、見事に期待に応えてくれました。シンガー・ソングライターだけに感受性や表現力が独特なんですね。

 泣かなくてもいいシーンで泣いてしまうこともありますが、彼女の演技を生かしていることもあります。撮影も半ばを過ぎ、女優としての進化も目覚ましいです」

 予想のつかない藤原に、幼なじみ役の菅田将暉は「彼女は僕らが忘れたものを持っている」と、新鮮さを感じたという。

 さくらのコンプレックスになっている吃音を題材にするにあたっては、吃音のセルフヘルプグループ『言友会』の中央連絡機関、全国言友会連絡協議会に全面協力を頼んでいる。

「藤原さんには吃音の悩みを持っている人が集まる場に参加してもらって、吃音で悩む人を内面から知ってもらいました。準備期間やリハーサルを含めると2か月間はかけています」

 さくらが広島出身という設定で、方言を交えてのセリフのため、藤原は人一倍、努力して臨んでいる。また、さくらが働く自動車整備工場は実際の整備工場で撮影しているからこそリアリティーがある。

「指導員はもちろん、エキストラも実際にその工場で働いている人たちに協力していただいています」

 神代との出会いがきっかけで吃音とうまく付き合うようになりたいと思ったさくらはライブハウス『S』で歌を熱唱した。

 第4話(5月2日放送)では、神代は、レコード会社の女性、水原亜矢(りょう)から『S』でのライブを見た、さくらをスカウトしたいとの申し出が。

 神代からプロへの可能性があると言われたさくらは、スカウトに乗り気に。そして神代とともにレコード会社に向かう。さくらはプロデビューできるのか?

「吃音で閉ざしていた心を音楽でどう破って成長していくか。全話を通して、藤原さくらの応援ドラマを描いていきます。彼女の頑張る姿から、見ている方が勇気づけられる作品になればいいと思っています」