・家康の長寿の秘訣は食生活にあり

 家康は徳川15代の将軍の中でも最も長生き(75歳)をしたが、その理由は食生活にある。日ごろは「麦飯」を好み、焼き味噌とナスの漬物があればご馳走だった。野菜や山菜、魚、果物など旬のものを好み、季節はずれのものには手を出さなかった。

 旬のものには、長生きに欠かせないビタミンCと酵素がたっぷりと含まれている。さらに鷹狩りを愛した家康は、長生きに欠かせない動物性タンパク質もしっかりとっていたと言われている。

・戦国武将のご長寿ベスト5

 10代、20代で命を落とすことは珍しくなかった戦国時代の武将たち。しかし、戦火をくぐり抜けて天寿を全うした武将もいる。その中でもトップは北条早雲の三男で箱根権現社の別当を務めた北条幻庵、97歳。北条早雲も88歳で5位と、親子ともども長命を保った。

 2位の龍造寺家兼は、宿敵を倒し龍造寺家を再興させた翌年に93歳で亡くなった豪傑である。3位は家康の息子で“鬼っ子”と呼ばれた松平忠輝の91歳。4位は、真田信繁の兄で真田家を江戸時代に生きながらせた真田信幸の91歳。長寿の天下人、家康でも75歳と、30位に入れるかどうかだ。

・戦国武将の酒飲み番付

 戦国武将きっての酒豪と言えば上杉謙信。合戦においても馬に乗ってドンブリ並みの馬上杯をあおった。酒の肴は決まって梅干し。鯨飲と梅干しの塩分がたたったのか49歳のとき、脳卒中で世を去った。

 また、秀吉の家臣団の中でも武闘派といわれる加藤清正も酒豪のひとり。酔っ払いのことを“トラ”というが、これは清正の幼名“虎之助”にちなんだと言われている。

 信長は大酒飲みではないが、酒盛りが好きで重臣たちを集めて夜通し飲むこともあった。その席で、酒が嫌いな光秀によくからんだ。陽気な席で酒をまずそうに飲む光秀が気に入らなかったのが、2人の亀裂の原因かも!?

イラスト/高木一夫

参考資料/『戦国武将ものしり事典』(奈良本辰也監修/主婦と生活社)、『本能寺の変四二七年目の真実』(明智憲三郎著/プレジデント社)、『秀頼脱出』(前川和彦著/国書刊行会)、『家康は関ヶ原で死んでいた』(島右近著/竹書房新書)