■大人のADHDは完璧を目指しがち

 ADHDについてメディアで取り上げる機会が増え、その認知が広がるにつれ、大人のADHDも注目を集めるように。

「大人の場合、ADHDと診断を確定するのはかなり難しい。いずれにしろ、これまでに自分の特性を知って、トラブルの予防や対策をすでに身につけている人が多いので、とくに治療は必要ないでしょう。ただ、つらい思いを抱えている人なら受診してみては。薬による治療は子どもと同じでかなり効果があります」(宮尾先生)

 ただ、女性の場合は診断を受けたあと、何年も気づかずに過ごしてきたことを悔やんで落ち込む人が多いそう。

「なかには、完璧を目指してつらくなる人もいる。大切なのは“いいかげん”を身につけて、無理なく過ごせるようになることです」(宮尾先生)

■アスペルガー症候群とは、ココが違う

 同じく先天的な発達障害のアスペルガー症候群は、ADHDと似ているように見える。でも、例えば対人関係でADHDが思ったことをすぐ口に出し、相手を傷つけたと後悔するのに対し、アスペルガー症候群はそもそも他人の気持ちや場の空気を読み取れない。相手が傷ついたことに気づかないのだ。