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 ここ最近、特に増えている人気漫画の実写映画化。しかし、人気作品+人気監督+豪華キャストがそろい踏みしてもなんとも評判のよくない作品が多い。実写映画向きの俳優、向かない俳優について関係者に話を聞いた。

 人気漫画の実写化は、演技面の難しさもある。

漫画のキャラは、漫画という枠組みに合わせて作られています。特異なルックス、特異なセリフ回しなど漫画であれば許されていた大げささは、そのまま実写化するとすごく非現実で寒々しくなってしまう。漫画の“熱い”キャラを、そのまま演じると、“暑苦しい”。日本人はオーバーアクションぎみの演技が似合わないことが多いですしね」(映画批評家の前田有一さん)

 では、実写映画にふさわしい役者とは?

漫画のキャラに負けない役者自身のキャラの強さが必要です。木村拓哉さんは、“何を演じてもキムタク”と揶揄されますが、そういった方は向いているタイプのひとつ」(前田さん)

 実写映画を演じる際、役者はルックスや演技を漫画のキャラに近づける。だが、漫画という2次元を3次元の映像にしたことで生まれる違和感が、かえって強調されてしまうことが多いという。

 木村のように何を演じてもその人に見える、というようなキャラの濃さが、むしろ原作キャラとのいい距離感になるのだ。

「『デスノート』の藤原竜也さん、『テルマエ・ロマエ』の阿部寛さんもキャラの濃さ、アクの強さで同じく実写映画に向いている方です」(前田さん)

 逆にどんな役者が向いていないのか。

「個人というより、作品ごとですが、『ルパン三世』など、小栗旬さんは、作品に恵まれていませんね。ルパンは、不二子ちゃんとの関係や、銭形警部との関係など、漫画やアニメ的な“お約束”が好まれている作品。それを実写で描くのは難しい」(前田さん)

 ジャニーズからは嵐の大野智の名前が挙がった。

「『怪物くん』の漫画やアニメどおりの風貌は大スクリーンで見ると尋常ではない違和感でした。原作は古い作品ですが、それを知っているファンは年配層。いったい誰が見るの、といった謎の映画でした」(前田さん)