医学博士・藤田紘一郎先生に聞く、ヤセ菌増やし生活のポイントとは

 “腸博士”こと医学博士の藤田紘一郎先生はこう話す。

「太るのはカロリーだけが原因だけではありません。腸の中にヤセ菌とデブ菌がいることが最近の研究でわかり、ダイエットの成功を左右するのです」

 腸の中には善玉菌、悪玉菌、日和見菌という腸内細菌がいるが、ヤセ菌もデブ菌も日和見菌。日和見菌の中でも善玉菌の味方をしやすいのがヤセ菌で、悪玉菌の味方となるのがデブ菌なのだそう。

「日和見菌のうち悪玉菌を好むフィルミクテス門を多く持っていると太りやすく、善玉菌を好むバクテロイデス門を多くもっていると太りにくいことが明らかになりました。

 フィルミクテス門は、本来は排出すべき脂肪の吸収を高めて、ためこみやすくなるので、デブ菌と呼ばれ、肥満の原因に。

 一方、バクテロイデス門は、太るのを抑える働きがある短鎖脂肪酸を作り出し、代謝をアップしてくれるため、ヤセ菌と呼ばれています」

人は加齢とともに、デブ菌が増加する!?

 自分はヤセ菌が多いのか、デブ菌が多いのか気になるところだが、腸内細菌のバランスは、赤ちゃんのときに決まってしまう。

「生まれて1年の間にどれだけ菌を取り入れるかで、腸内に定着する菌の環境が決まり、その後、一生変わることはありません。

 最近は赤ちゃんがハイハイをしたときに清潔でいられるよう、除菌を心がけるお母さんが多いですが、殺菌しすぎるのは考えもの。

 赤ちゃんのうちにいろんな菌を取り入れることで、免疫力のある腸内環境を作り、デブ菌や悪玉菌の増殖を防いでくれるからです」

 もちろん、食事などで腸内細菌のバランスを変えることはできるが、加齢とともにデブ菌が増えることもわかっている。

「若いときのようにダイエットをしてもやせない」という人は、腸内環境が悪化し、デブ菌が増えている可能性が。とくに女性はホルモンの影響で腸の働きが鈍くなって、便秘になりやすいので注意が必要だ。

 では、ヤセ菌を増やすには、どういう食生活をすればいいのだろうか?