生まれた月によって、なりやすい病気、なりにくい病気がある。これは占いの類ではなく、科学的な統計データが実証しているらしい。

 昨年発表された、アメリカ・コロンビア大学の研究チームによる驚きの論文は、1985年から2013年までの28年間に、ニューヨークにある2つの病院の約170万人の患者データをもとに、綿密に調査されたもの。

 なんと1688種類の病気と、誕生月との関係を調べた結果、“誕生月ごとに明らかな差が現れた”というのだ。

 医学ジャーナリスト・植田美津恵さんによれば、

「病気の原因や発生状況などについて統計的に調べる疫学の調査って、“研究対象者の数”と“調査に年月をどれだけかけているか”がポイントなんです。そう考えると、コロンビア大の調査は170万人を対象にし、30年近い追跡調査をしているので、まずはそれだけで信憑性や説得性はあるなと感じます」

 下の表のとおり、55種類の病気について、誕生月との関連性が発表されている。

 

 さらに植田さんは、この誕生月と病気リスクの調査について、こんな評価と期待をしている。

「今回の結果で終わりにするのではなく、ここから病気リスクに関する発展が望めるという意味で、これからの研究に対するすごくいい基礎資料だと思います。

 最近は、母親の状況によって、子どもが病気に対してどういうリスクを抱えるのかについても注目が集まっています。妊娠時や新生児期の気候や栄養、母親が抱えていたストレスなど、もう少し詳しく個人個人を見ていくような、細分化された研究が進んでいくと思います。そして将来的には、誕生月どころではない、もっと詳しい病気リスクもわかるようになるのではないでしょうか」