アメリカでは親の意向で入学を1年遅らせることも

「統計的な処理をしてみると、明らかに早生まれが不利な状態にあります。ただ、間違えないでほしいのが、早生まれの子の能力が劣っているかといえば、そうではないということ。人間として持っている能力に差はありません。ただ、学年がどのタイミングで区切られているかの問題なんです」

 アメリカでは、親の意向で入学を1年遅らせることもできる。

「日本でも同じような選択ができたり、秋入学の小学校もあればいいんですが、なかなか……。対応策としては、この現実を現場の先生がきちんと把握し、個々の児童にしっかり目配り、気配りすることだと思います」

 ちなみに、慶応義塾幼稚舎や立命館小学校など、一部私立小学校では、誕生日順にグループに分けて試験が行われるなど、月齢が考慮されている。

「生まれ月に左右されず、平等ですよね。それに学校側も4~6月生まれの、その時点での生活経験上の優位性にとらわれず、早生まれでも伸びしろのある優秀な子をとりたい。双方にメリットがあると言えます」