女性が男性に求める3つの原理原則とは

 1つ目の“自由”とは、ダメ出しをしないこと。

恋愛経験のない花笑は自分の感情をコントロールすることができず、元カノに嫉妬してイケメン大学生に八つ当たりすることがありますが、イケメン大学生はそんな花笑を否定せず、かわいいと抱きしめてくれます。

 また、花笑が一般職から総合職に転職したいと言い出したときは、“やりたいことは応援する”と全面的に賛成してくれます」(仁科さん)

 2つめの“平等”とは、女性全員を平等に扱うこと。

「この作品に限らず、少女マンガの男性主人公が表面的にはぶっきらぼうに見えても、どんな女性にも紳士的に振る舞う共通点があるのは、差別する男性は女性にとって魅力がないからなのです」(仁科さん)

 少女マンガの世界では、「若いからキミが好き」という身も蓋もない告白は見たことがありません。「外見と内面を平等かつ公正に審査した結果、キミが一番だ」と選ばれないと納得しないのが女性、ということがわかります。

「また、女性を“下”に扱わないことも大事です。イケメン実業家は収入や社会的信用という面では花笑より“上”ですが、花笑に“成功者であるオレの話を聞け”というニュアンスのことは一切言いません。

 むしろ花笑のアドバイスに耳を傾けます。“女なんだから男を立てろ”と性別を理由に関係性を決定することもありません」(仁科さん)

 3つめの“迫害”とは、年齢や外見など、女性が自分の力でどうにもできないことを責めないこと、ピンチや悩んでいるときに助けてくれること。

「現実世界で、結婚願望のある30代女性と大学生が交際していたら、女性の親も友人も、場合によっては男性側の親も反対するでしょう。けれど、この作品の中ではイケメン大学生の親を含めた全員が、花笑を“いい子”“自信を持て”と応援してくれます。

 また、イケメン実業家は、花笑がイケメン大学生との関係に悩んだとき、恋敵にもかかわらずアドバイスをくれますし、キラキラOLが花笑を陥れようとしたときも、黙って花笑を助けてくれます」(仁科さん)

 男性が思う女性の魅力とは、顔や身体というように「目で見てすぐわかるもの」という傾向があります。

 しかし、少女マンガの洗礼を受けた女性が考える女性の魅力とは、「自分の奥深くに眠る無尽蔵なもの」であり、自分でもわからないそれを見つけてくれるのが、“運命の相手”という認識なのです。

 恋愛苦手男子は、この3つの原理原則を理解して女性と接することが、モテへの近道と言えるでしょう。

<プロフィール>
◎仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、Twitterで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。2016年8月に男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)を上梓。