引きこもりでも、家庭で役割があると安定する場合が多い

 社会心理学を専門とする新潟青陵大学の碓井真史教授は、31歳で無職、周囲との交流がない金子容疑者を「社会的引きこもり」と定義したうえで、次のように解説を加える。

引きこもりでも、家庭で役割があると安定する場合が多いんです。料理、洗濯、炊事をすれば感謝もされるし必要とされる。彼の場合は、姪の面倒を見て、おばあちゃんの世話をするといった役割があったと考えられます。

 おばあちゃんというのはだいたい孫にはやさしいですよね。彼には癒しだったでしょう。おばあちゃんが施設に入ることは、彼には仕事と癒しの両方をなくす喪失体験だったのかもしれません」

 可愛がっていた孫が起こした悲劇。おばあちゃんには知らないままでいてほしい。