井内先生からの回答

A:いつもわたしの本をお読みくださっているとのこと、ありがとうございます。少しでも、何かのお役に立てているならとても嬉しいです。高1の息子さんのことで悩んでいらっしゃるんですね。

 あなたにとっては、「まさかこんな悩みを抱えるなんて」と、思うことかもしれませんが、こういう感じの高校生ってたくさんいます。そして、難しくさえ考えなければ、大した問題ではありません。

 まず、子どものことで悩みが出た場合、「現在(いま)」だけを見て右往左往するのではなく、夫婦揃っているなら、ご夫婦で、シングルなら自分自身で子育ての"着地点"をきちんと決めておくことが一番大切です。

「子どもをどのような大人に育てたいのか」そして、「何をもって子育てを終了とするか」ということをです。

 それは、「そこそこの大学を卒業させて、ちゃんとした企業に就職させる」なんて、輪郭のないぼやけたものでなく、また、子どもの意思もちゃんと反映されていることが肝心です。

 ちなみに、我が家は「子どもがそれぞれ、自分が打ち込める仕事を見つけ、それで自立できるまで」が子育ての着地点だと考えています。その上で、いろんな問題を考えます。

 だから、子どもがいろんなことに興味を示せるような手助けをします。非日常である、山や海や草原などに連れて行ったり、親が連れて行かなければ見れない、行けないところを見せるようにしているということだけですが。

 だけど、こちらからは、習い事や勉強などなんらの強制はしません。神さまが「親の希望や夢を子どもに押しつけるんじゃない」と教えてくださったからです。

 そして、否定的な言葉や意見を言わないようにしています。それを言ってしまうと、子どもは自由に思ったことを言わなくなりますし、親にいい意味で甘えることが減ってきます。