川村元気さんが感動した3冊

感動した3冊を挙げてくれた映画プロデューサーで小説家の川村元気さん

 現在ヒット中の映画君の名は。』を企画・プロデュースしている川村元気さん。20代は映画の原作を探すため年に約300冊の“乱読”をしていたそうだが、自分で小説を書くようになってからは、海外小説をよく読むように。しかし今回、最初にあげたのは吉田修一の『怒り』。

■『怒り』(吉田修一 著/中央公論社)

若い夫婦が惨殺された事件が未解決のまま1年が経過し千葉、東京、沖縄に身元不詳の男が現れる。彼らを愛した人たちは疑いと、信じる気持ちの間で揺れ始め……。

「吉田さんは今、何を見ているのか、何に気づいているのか、が気になる人です。この作品も怒って暴れている人たちが出てくると思っていたら真逆で、今の怒りっていうのは怒って叫んだり、誰かを殴ったりではなくて、何をしても状況は変わらないと諦めてのみ込んでいる状態だという真理を突いていてギョッとしたんです。

 吉田さんの作品は、いつも“自分の中にこういう気持ちがあったんだ”と思い知らされるんですよね」