日常生活でも同じ「洗濯したタオルはたたまない」

 限られた時間で最大の効果を上げるために「完璧主義」を捨て、優先順位の低いものをどんどん捨てる。杉山流暗記術は、日常生活でも生かせそうです。

「実は私は、洗濯したタオルはたたみません。箱にポイポイ入れてふたをしてしまうだけ(笑)。ブラウスやシャツもたたまないでそのままです。さすがに外に出るときにはアイロンをかけますが。言いたいのは、結果が同じなら、無駄を省いてラクなほうを選べばいいということ。

 それとうちでは服や下着、靴下を脱いだら裏返しのままです。親って、脱いだらちゃんと表に直しておきなさいとか言うじゃないですか。でも洗濯では裏返しにしておいたほうが生地が傷まなくて長持ちするそうですし。着るときは裏返しにした本人がそのときに直せばよいこと。外に出るためには、本人が表にせざるをえないわけですから、主婦の小言も減るというもの(笑)」

「いかにラクをしながら多くのことを覚えるか」を提唱する『「捨てる」記憶術』には、ほかにも常識破りの例が数多く登場します。東大受験にあたって、杉山さんが捨てたのは、「学校の授業」「予備校」「人の評価」。受験に無駄な学校の授業はサボり、予備校にも通わず、先生にどう思われてもいいと独学を貫きました。