映画『お父さんと伊藤さん』で主演した上野樹里 撮影/佐藤靖彦

 10月8日公開の映画『お父さんと伊藤さん』で主演を務めた上野樹里が演じたのは、34歳・独身女性の彩。主演ドラマ『家族ノカタチ』('16年)に続き、見る人が共感できる気持ちがちりばめられた“家族”を描いた作品になっている。

「私も今年30歳になって、キュンキュンしたラブストーリーや作り込んだサスペンスより、人の気持ちに寄り添えるような家族モノがやりたいと思っていたんです。

 “可愛い”や“キラキラした世界”に憧れるばかりじゃなくて、現実はこんなものでしょってわかってくるのが30代だと思います。切り捨てていいもの、逆に、自分にとってこれだけは必要なものが見極められるようになってくるから」

 彩は、54歳の彼氏・伊藤さん(リリー・フランキー)と2DKのアパートにふたり暮らし。そこに74歳のお父さん(藤竜也)が押しかけてきて不思議な共同生活がスタートすることに。

「彩と伊藤さんは家にいるだけで楽しめるふたり。私自身も、家がいちばん好き。この仕事をしているとスケジュールが不規則になりがちで誰かと予定を合わせることが難しいし、結局、ご飯を作って食べることが楽しめればいいかなと思うので」

 上野自身も5月に結婚したばかり。作品について話しながら、“ちょっと肩の力が抜けて自由に生きられるようになった”とにこやかな表情を見せた。

「家族はいろんな形があっていい、大切なのは中身だなって思います。この間、友達に会社の先輩と旅行やゴルフに行くって話を聞いて、充実してていいな~と思ったんですけど意外と本人は窮屈に感じていたり(笑)。それはそれで大変なんだな、私はけっこう気楽に生きているなって思いました!」