盛り土はなかった。それはよくわかった。いつ、誰が、どこで仕様変更を決めたのか、真相究明する必要はあるだろう。でも、それよりもまず、市場をどうするのか見通しを示してほしい。問題続出で揺れる豊洲、築地の声を聞いた──

移転延期を決めた理由

豊洲市場の売場棟を道路下でつなぐ連絡通路(中央の白帯部分)の地盤には汚染物質が残っていた

「私は環境大臣のころから、また知事選の期間中から、豊洲市場の安全性や使い勝手などについて懸念があるとの声を聞いてまいりました」

 光沢のあるダークグリーンのスーツを着た小池百合子都知事(64)は4日、都議会自民党の代表質問に答える中で“疑惑のきっかけ”についてそう述べた。最近見せなかった勝負服の緑色をここで着るのが小池知事らしいところ。

 安全性への懸念。巨額で不透明な移転費用の増加。情報公開の不足。この3つの疑問が解消されず、移転延期を決めたという。一方、最終的な移転の可否や見通しを示すことはなかった。

 いまや豊洲新市場をめぐる問題は広がるばかりだ。盛り土していなかった地下空間のナゾに始まり、地下水のモニタリングでは環境基準を超える汚染物質を検出。道路の下で水産仲卸売場棟と水産卸売場棟をつなぐ連絡通路の地盤には、高濃度のシアン化合物やベンゼンなどが残っていることも新たに判明した。