「最近、マンガ家の浦沢直樹さんの不倫がニュースになりました。相手は若い女の子と思いきや、同世代のキャリアウーマン。あれって、私の周りにすごく多いケースなんです。友人にも4人ほど、同じパターンで不倫をしている人がいます。

 お互いに既婚者で、男女ともに仕事ができ、仕事や人生をわかり合える同じ立場の人と息抜き的にエッチして、それぞれの家庭に帰っていく……。私たちにとって不倫とは、定期的に行きたくなるテーマパークみたいなものなんです。最初はドキドキワクワクしたけれど、結果的に現実の延長線上にあって行きやすい、バーチャルな世界(笑)」

 その世界に行きたくなるのは、月1回の排卵日付近。

「やっぱり、女は本能的にしたくなりますからね。夫とは肉体的な関係はとっくに切れていますが、関係は良好で、一緒にお風呂に入ることも多いです。

 夫は8年くらい前からひとりエッチで十分になってしまったようで、私相手だとEDなんです。上司のパワハラとハードワークで、女性相手にエッチができなくなっちゃったみたい。私が不倫相手に会うのは、体の中がじっとりしてきたときが多いです。排卵日周辺が多いかもしれません」

 仕事に家庭に忙しい辻本さんは、いつデートをしているのだろうか?

「彼に会うのは、土曜日の午前中から夜にかけてです。私は不動産関連会社で、もともと休日出勤も多いので、家族は絶対に不倫を疑っていません。

 娘はダンスサークルに入っていて、土曜日は朝からお弁当を持ってダンスの練習に行ってしまう。夫は金曜の夜中に帰ってきて、土曜日は家で文字どおり死んだように眠っています。彼も自由に外出できるので、月1~2回土曜日に、高田馬場や中野で会います。学生街だから気づかれるリスクが少ないし、ラブホテルもありますから」

仕事の話をしながらゆっくり交わるのがいい

 稼ぐ女の多くは、高級ホテルやレストランは仕事で行っている。親密な相手とはなるべくカッコつけないところに行きたい、と続ける。

「バブル世代の先輩と話していると、予約の取りにくいレストランとか、高級ホテルとかが好きみたいだけど、私たちみたいな氷河期世代は、フツーがいちばん安らぐ。出張や仕事の会食で高級店に行っていますし、ホントにおしゃれなお店は女子の後輩と行きたい。それに、肉体関係がすでにあり、お互いのヤバい部分も見せ合っているわけですから、そんな相手とおカネをかけてカッコつけても意味がないし疲れる。不倫相手の彼とはおいしい居酒屋さんに行き、テキトーなラブホに入って、仕事や業界、娘の話をしながら、ゆっくり交わるのがいい」

 辻本さんに不倫相手の男性について伺うと、“髪は薄く太っていて、お世辞にもカッコよくはない”と語る。

「でも、鼻毛が出てなくて朗らかな人なんです。お互いにちょっとした非現実的な気分を共有し、ハードな仕事のことも語り合えて、生活や文化水準が同じで、コミュニケーションの延長線上でエッチができるのがいいんですよ。慣れ親しんだ夫の肌とは別に、男性の肌を知っているというのは、社会に対して秘密を持ったような気分になります」