「いつもの元気いっぱい空回り演技の天海。三つ星シェフが給食を作るというので、学校給食の変なところを“それはおかしい”と改革する話かと思ったらそうじゃない。ただ単にお払い箱になったシェフが給食作って、子どもにまずいと言われるという、こっちの予想のはるか下をいく展開。

 三つ星シェフの天海を辞めさせるためだけに、超高級レストランが食中毒を起こすという筋運びには腰が抜けました。もし、レストランが食中毒を出したらその後どうなるのか、取材してないうんぬん以前の“問題作”です」

しょうもないドラマが遺作になってすみません

 凋落著しい“月9”では、『カインとアベル』(フジ系・月曜21:00)が、月9史上最低の初回視聴率(8・8%)と、話題に。

「大手デベロッパーを経営する一家のジュニアたちの話なのに、アウトレットを作るのにレストランの誘致の話だけで引っ張り、デベロッパーの企業のリアルがまったくない。しかも高校生みたいな仕上がりの山田涼介が兄の桐谷健太と会社を取り合うとか……見る気うせます。

 山田を主役にするためだけに作られたドラマに視聴者がついてくると思っていることに腹立つ。“しょうもないドラマが遺作になってすみません、平幹さん”という気持ちでいっぱいです。

 ヒドいといえば『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(フジ系・火曜21:00)も、吉田羊を主役にすることが決まってから内容を考えたという後づけ感が。恋愛話は今の彼女には生々しいし、WOWOWで刑事ドラマをやっているから医療モノで、という消去法で、何か特徴を出すために“手術しない”という設定を取ってつけただけ。『ドクターX』にボロ負けするのがわかっていて、なぜ医療モノをわざわざやるのか、意味がわからない……」

『キャリア〜掟破りの警察署長〜』(フジ系・日曜21:00)については、「突出した面白さも欠点もない、薄〜いドラマでツッコミどころもない」とバッサリ。

 市川海老蔵の『石川五右衛門』(テレ東系・金曜20:00)は、「歌舞伎の舞台をそのままテレビで再構築。衣装もセットの大きさもセリフ回しも、何もかもそのまんま(笑)」