政府の地震調査委員会は鳥取県中部地震の要因について、長さ10キロ以上の未知の活断層がずれたことで地震が起きたとする見解を示した。10月28日までに震度1〜4の余震が258回起きている。気象庁は「同程度の地震は当分続く」と注意を呼びかける。

 どうして大地震に先んじて危険性を知らせることができなかったのか。高橋教授は「未知の活断層のせいにするのは責任逃れ」と批判する。

「そんなことを言い始めたら、国内は大小さまざまな未知の活断層だらけです。日本列島には約2000の活断層があるとされていますが、実際にはその2〜3倍あるとみています。もっと視野を広くもって大局的に活動をみる必要があるでしょう」(高橋教授)

 早見表(※下図)を参照してほしい。高橋教授によれば、国内の地震噴火活動はステージ1〜4のサイクルを約70〜100年かけて終え、それを繰り返しているという。

「西日本はいまステージ3に入ったところです。ステージ2の口永良部島噴火や阿蘇山噴火を終え、大地震が発生します。鳥取県中部地震はその入り口です。一方、東日本はステージ3の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から5年以上すぎ、ステージ4に入ったとみています。巨大噴火が起こったり、海底隆起し大津波が心配されるアウターライズ地震が起こります。ステージ4が終わらない限り、3・11はまだ続いているんです

 と高橋教授は話す。

 西日本では、最悪32万人の死者が想定される南海トラフ地震が迫る。東日本ではこれに加えて首都直下型地震の発生も予測され、タイミングによっては2020年東京五輪の開催どころではなくなるとの見方もある。