「方言をしゃべらせたらこの子だよね」って言われたい

 今回の作品を含め、初主演映画『舞妓はレディ』や『君の名は。』など、方言を話す役が多いと上白石。

「これまで方言ばかりしゃべってきました(笑)。方言って演じるその子を理解するひとつの表現だとも思っていて、スピードやトーンも研究して役作りしています。『君の名は。』でもヒロインの三葉が話す飛騨の方言がヒントになりました。

 私は鹿児島出身ですが、田舎で生まれたからにはその心を忘れたくなくて、“方言をしゃべらせたらこの子だよね”って言われるようになりたいです」

 でも全然、鹿児島弁が出てこない! もう抜けた?

「今でも家では鹿児島弁です。“明日は何があるけぇ”とか“行くが、行くが〜”とか(笑)。家族と標準語だとなんだかずっとお芝居しているみたいでリラックスできないんです」

 少女のような笑顔が印象的な上白石。最後に、いま若手の女優さんが多く活躍しているけど“ここだけは負けたくない”というところがあれば教えてください。

「親近感です。“こんな子、いそう”みたいな、作品の中にそういう人が1人でも出てくると、見ている人が物語にもっともっと引き込まれると思うんです。“隣の家に住んでそうな人”そんなふうに身近に感じてもらえるような女優さんでありたいです」

<作品情報>
『溺れるナイフ』
10代の恋の衝動を描いた伝説的少女コミックが映画化! 田舎町に引っ越してきた人気モデルの夏芽(小松菜奈)。彼女は自由で傍若無人な神主一族の跡取り・コウ(菅田将暉)と恋に落ちる。友人のカナ(上白石萌音)は2人の恋を応援するが……。