取材先に現れた布川敏和さん。この日着ていたのは、シブがき隊として活躍した'80年代に席巻した『セーラーズ』のスタジャン!

「おニャン子クラブが着るよりも前、僕が17歳のころから着ていたんですよ」

セーラーズのスタジャンを着て現れたフックン

 デビューに先がけ、'81年から始まった『ザ・ヤングベストテン』では、のちの少年隊小泉今日子さんと共演。歌ありコントありの音楽番組だった。

「いきなりジャニーさん(ジャニー喜多川社長)から“ユーたち、テレ東行くよ”って言われて、プロデューサーと雑談をしてたらその場で“番組やるから”って言われたんですよ。『フィンガー5』好きのヨッちゃん(野村義男)と僕やキョンキョンでエアバンドを組もうとしたけど実現せず、キョンキョンが『学園天国』をカバーして、ヒットしたんです」

 翌'82年、シブがき隊としてデビューを飾るが、名前の由来は当時の流行語「渋い」と、たのきんトリオの前身「悪ガキトリオ」を合体させたもの。それだけでも衝撃だったのに、さらにジャニー喜多川社長から、「今日からユーたちはヤックン、モックン、フックンでいくよ」と言われ、3人とも「えー嫌だよ!」と声をそろえた、と笑う。

「タレントにはニックネームがあったほうがいい、というジャニーさんの考えで実際、それで人気出ましたからね。来年はデビュー35周年なんですけど、僕は“一生、フックンでいこう”と思ってます!

 人気は瞬く間に爆発し、デパートの屋上をジャックして行われた'82年のデビューイベントでは、各地でパニックが発生!

「大阪はあまりの人出で、イベントが中止になったんですけど、そこへ上沼恵美子さんが明太子を買いに来たらしくて。今でもお会いすると“混んでて買えなかった”って言われます(笑)。

 それからデビュー前の中学生だったナンノちゃん(南野陽子)も来ていたそうで、もみくちゃにされて靴が片方なくなって、でもお金がないから、いちばん安い上履きを買ってはいて帰ったって言ってたな(苦笑)」