筒井道隆と成海璃子は凹凹コンビ

 後藤Pは筒井のキャスティング理由をこう語る。

筒井さんは、独特の存在感で、プライベートが謎に包まれている。ミステリアスなイメージがこのドラマの世界観にぴったりなんです

 新谷はリテイクしてきたオバケの人生の悩みや後悔に向き合うヒーロー的な存在ですが、決めゼリフをズバッと言って解決するカッコよさはない。上司から叱咤され、薫やまさ子にやいのやいの言われて追い込まれ、最後の最後にギリギリ頑張るリアリティーのあるヒーロー。そんな新谷を演じられるのは筒井さんだけです!」

 見どころは、オバケを探すために行動する新谷と薫の丁々発止のかけあい。

当初は凸凹コンビのイメージだったんですが、このふたり、凸凹ではなく、凹凹コンビなんですよ。命名は筒井さんです。素の筒井さんと璃子ちゃんは一見、正反対ですが、実は根っこは同じ

 ふたりとも今という時代に流されず、どこか抗って生きているように見えます。その不器用な生き方は、愛すべきものがあります。そんなふたりの空気感が画面からも伝わってきます」

6人の脚本家が担当、オトナの土ドラ初の1話完結

 筒井は久々の主演でも気負うことがまったくなく、撮影現場では、にぎやかな浅野や成海らの聞き役に徹しているという。

「のほほんとして穏やかな空気を漂わせています(笑)。率先して明るく盛り上げようとか、スタッフをいじろうとかは、まったくないですね。浅野さんいわく“みんな(筒井、成海、浅野は)勝手だからいいよね”と。変にまとまろうとせず、それぞれを尊重している感じです」

 本作はオトナの土ドラ初の1話完結で、6人の脚本家が担当している。家族もの、コメディー、ラブストーリーなど、毎回違ったテイストとゲスト出演者を楽しめるのが特徴だ

 第2話(12月10日放送)は、ハートウォーミングな物語。偏屈で人に心を開かない22歳の若者の漆畑彰(タモト清嵐)の前にリテイクしてきた47歳のオバケ漆畑(マギー)が現れる。

「同一人物を演じるので、マギーさんと清嵐君は、すごく細かいところまで打ち合わせをして演じてくださいました。マギーさんの撮影が始まると清嵐君も来て、癖や言い回しを確認しているんです。芸達者なふたりのオバケと現代人をお楽しみください」