澤瀉屋の十八番『義経千本桜』の狐忠信を熱演する右近('11年7月)
澤瀉屋の十八番『義経千本桜』の狐忠信を熱演する右近('11年7月)
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 澤瀉屋の一番弟子であった右近の独立。一部週刊誌などでは、四代目や市川中車こと香川照之との確執ではと報じられているのだが……。

ご心配しないでいただきたいのは、まったく澤瀉屋と離れてやっていくということではないということ。

 もしそれが事実だったら猿之助さんが子どものころやった役をうちの息子にどうですかとは言っていただけないでしょう。

 それどころか、猿之助さんも中車さんも襲名興行に出てくださらないと思います。このたびの襲名は澤瀉屋一門のバックアップがあってこそです

 そして、右近は歌舞伎役者を目指す人たちに対し、こう思いを述べてくれた。

歌舞伎はとかく世襲制と言われますが、どの名跡にも初代がいます。歌舞伎の家柄でない私が右團次を襲名させていただくことで歌舞伎の未来にとって新しい兆しになれればと思っています。これから歌舞伎を目指す若者の道しるべになるような役者になりたいなと思いますね。それが未来の歌舞伎界を明るく照らすと信じています」