“覚悟を持ち、退路を断つ”

 ほんのひと昔前は予選落ち常連校だった青学大。原監督がチームを任されたのは'04年だ。

当時は朝練習に出れば、コンビニで立ち読み。2日酔いで練習に現れる学生もいましたね

 それが、たった11年で箱根制覇。なぜ、これほど一気に強くなれたのか?

「“覚悟を持ち、退路を断つ”です。就任時、“俺は会社を辞めてここへ来た。逃げ場はどこにもない。青学大を箱根駅伝に出場させる。だから覚悟を持って取り組んでほしい”と宣言しました。

 学生たちはみんな“頑張ってます”と言うんだけど、それは本当に崖っぷちに立たされて頑張っているのか? 保険をかけている頑張りなのか? やっぱり、いかに覚悟を持ってチャレンジするかなんです。その出発点でボタンの掛け違いがあったら、今日の青学大はないですよ」

 取材中、いつの間にやら“モテ自慢”になっていたこと数度。自らを“昭和のプレーボーイ”と称する監督は最後につぶやいた。

「『週刊女性』の読者全員、青学大のファンになってほしいなぁ」

(※1)東農大の名物応援。応援歌『青山ほとり』を歌いながら、大根を持って踊る
(※2)日体大の名物応援。白短パン+白鉢巻で上半身は裸。「エッサッサ」と叫びながらのパフォーマンス

<profile>
◎原晋
青山学院大学陸上競技部監督。'67年3月8日生まれ。広島県三原市出身。世羅高校から中京大学へ。中国電力では故障により5年で引退。営業マンとしてトップセールスを記録。'04年より現職。'09年に33年ぶりの箱根駅伝出場、'15年に初の総合優勝、'16年は完全優勝でV2。青学大を常勝校に育て上げた原監督による熱い語録集『人を育て組織を鍛え成功を呼び込む勝利への哲学157』(1111円/ぴあ)発売中