“終活”を意識する年齢に

 今年、俳優デビュー45年の節目を迎えた。

「20代のときに1度やめたいと思ったときがあったけど、『伊豆の踊子』(映画デビュー作)で意識が変わり、30代の『台風クラブ』(相米慎二監督)がいちばん転機になって、面白い仕事だと思わせてもらえました。45年は長いですが、続けてこられたのは、この仕事が好きだと思わせてくれる人に出会えたことと、やり続けたいという気持ちが強かったからだと思います

 キャリアを重ねて、今後の目標ややりたいことは?

「何もないです。思うのは、あと15年で80歳、そういうことのほうが大きくなってきています。それは、大先輩方が80歳ちょっとで亡くなっている。そういう現実に、自分も15年ちょっとであの方々の年齢になってしまうんだなと。ものすごく大きいですよ。

 あと15年しかないのか。その間に何ができるのか、プラスそういう年齢になったときの妻や子どものこととか。そういうことをすごく考えます。それこそ“終活”です。それをまじめに考える年齢になったと実感しています

 今回のドラマの主人公は、定年を控えたサラリーマンで“終活”もかかっている点を共感ポイントにあげる。

「家族がひどい目にあって、視聴者の方には身近に感じてもらえるようなことが起きるので、楽しく見ていただけるんじゃないかなと思います。(役では)いままで見たことない顔が少しは出るかもしれないですね。お笑い好きな面とかね(笑)

<profile>
みうら・ともかず/1952年1月28日生まれ。山梨県出身。'72年ドラマ『シークレット部隊』で俳優デビュー。'74年『伊豆の踊子』で映画デビュー。'80年に山口百恵と結婚。代表作に、映画『台風クラブ』『ALWAYS三丁目の夕日』『沈まぬ太陽』『アウトレイジ』『64‐ロクヨン‐』『葛城事件』、ドラマ『赤いシリーズ』『独眼竜政宗』『新参者』など。長男・祐太朗はミュージシャン、次男・貴大は俳優として活躍