平成は30年まで!?

三大行幸啓の「豊かな海づくり大会」で海に稚魚を放流される両陛下('16年9月)
三大行幸啓の「豊かな海づくり大会」で海に稚魚を放流される両陛下('16年9月)
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 1月23日には、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の論点整理が公表され、議論の場は国会に移り、陛下一代に限っての特例法で退位していただく流れになりつつある。

「平成は30年までで、皇太子さまが天皇に即位され雅子さまが皇后になられる日が、2年後の'19(平成31)年元日だというニュースも一部で報じられました」(宮内庁関係者)

 そんな譲位までの期間、今回のアジア大会のように、年間1600件はあるという陛下の公務を皇太子さま(56)や雅子さまに、お譲りになることはあるのだろうか─。

 実際、両陛下はご自身たちが平成になって始めた「こどもの日」と「敬老の日」に関連した施設訪問を、一昨年から皇太子ご夫妻と秋篠宮ご夫妻にお任せになっている。

真夏や真冬の屋外の行事など、リスクの高いものは一部、お譲りになるかもしれません。

 しかし、憲法で定められた『国事行為』や、『三大行幸啓』と言われる重要な公務、国民の安寧を祈る『宮中祭祀』などは譲位まで続けられると思います。“全身全霊”で、できなくなるから譲位するとおっしゃっているということは、できるときは最後までやるという意味だと解釈できるからです」

 そう説明するのは、前出の山本さんだ。「外国訪問」や、両陛下が最も大切に思われている戦没者慰霊もお任せになることはないとみる。

「外国訪問をすると、相手国は天皇を国家元首としてみるので、公式晩餐会などでも元首として扱われます。さらに陛下ご自身も、天皇が行かないと礼を欠くようだという発言をされています。

 8月15日の全国戦没者追悼式もかなり重要だとお考えなので、退位されるまで続けられると思います。この日だけは、いちばん格の高い『センチュリーロイヤル』という車に乗り来場されます。国会の開会式には乗られていますが、三大行幸啓や海外訪問の際は乗られていないので、どれだけ特別視しているかがわかります」(山本さん)

 元宮内庁職員で、皇室ジャーナリストの山下晋司さんも同じような見方をする。

「宮内庁は昨年、全国の警察本部長らが上京した際に挨拶を受けられる10件程度の『拝謁』などを削減しました。

 ただ、今の両陛下のお仕事は、かなり整理されている印象なので、退位されるまでの2年で変わる公務はないのではないかと思います

 有識者会議の論点整理でも、「天皇の代行者が公的活動を行っても、象徴としての行為にはならない」との指摘もあったように、両陛下の公務を他の皇族方が単純に代行できるものでもないようだ。