配役は、原作に“似てる”ではなく、演技力を重視

 “きれいになっタラ、もっといい男が現れる!” “好きになれレバ、結婚できる!!”──現実よりも仮定の“タラレバ”を繰り返すアラサー女子3人の“タラレバ娘”の悲喜こもごもを描いた『東京タラレバ娘』(日本テレビ系 水曜夜10時~)。原作は、東村アキコの同名コミック。ヒロインの鎌田倫子を吉高由里子、親友の山川香を榮倉奈々、鳥居小雪を大島優子がそれぞれ演じている。

「原作を読んだときに、圧倒的なパワーに男の僕でも心を揺さぶられ、絶対に自分の手でドラマにしたいと思いました」

 こう話すのは、『ごくせん』『花咲舞が黙ってない』などのヒット作を手がけた加藤正俊プロデューサー。

 すべての世代の女性が共感できる作品にするため、もっともこだわったのは、キャスティングだという。

「原作に似ている役者さんを探すのは、違うと思います。登場人物は全員、似ているよりも演技力を重視してお願いしています。

 倫子はどういう女性でどんな生き方をしているか。精神性のようなものを表現できる役者さんを考えました。倫子は“イタい女”ですが、そこにクスッと笑えて心をほぐしてくれるような部分まで表現できるのは、自由に見えて愛らしく、無二の存在ともいえる吉高さんしかいませんでした。

(配役が)決まってから、吉高さんに髪を切ってもらったり、KEY役の坂口健太郎君に金髪にしてもらったり。(見た目を)キャラクターに似せてもらうお願いはしました」(加藤P、以下同)

倫子に、過去の結婚について打ち明けるKEY (c)日本テレビ
倫子に、過去の結婚について打ち明けるKEY (c)日本テレビ

 3人の“タラレバ娘”の物語を楽しめるよう、香、小雪も主演クラスの女優を配したのも、こだわり。

「見たことのない組み合わせにしたいと思いました。榮倉さんは日テレドラマ初出演ですし、大島さんも子役時代以来なので10数年ぶりです。3人は仲がよく、背の高さから大ザル(榮倉)、中ザル(吉高)、小ザル(大島)と呼んでいます(笑)。いちばんにぎやかなのは大島さん。1人のシーンの撮影になると、吉高さんは寂しそうにしていますね