基礎体温が下がる月経後に早く寝る

 月経のリズムはホルモン量だけでなく、基礎体温をも変動させる。基礎体温を計った経験のある人ならおわかりだろうが、月経後の排卵の準備期間である「卵胞期」には基礎体温は下がり、排卵後の「黄体期」には上がる。

 リハビリテーションの専門職である作業療法士として、患者に睡眠指導も行う菅原洋平さんは、

睡眠には、体温が下がったときに深い眠りが得られるというメカニズムがあります。女性は黄体期、つまり月の半分は基礎体温が高く、深く眠りにくいということになりますね」

 菅原さんによれば、人の身体はいい状態のときによりよい状態にもっていくと、悪い状態のときの症状が軽くなるという。

月経後、基礎体温が低めで深い眠りが得やすいときにこそ、たっぷり眠っておく。元気なときって、つい無理しがちですが、そういうときほど早く寝ることで、月経前のつらさが軽減されます」

 現代女性は、家庭でも社会でも求められる役割が多い。まじめで頑張り屋の女性ほど、睡眠時間を削ってまでこなそうとするが、それで健康を害しては元も子もない。まずは自分の睡眠の質を確かめ、“ダメ睡眠”がもたらす弊害を知ることから。下のチェックリストで自分の抱える睡眠ストレスを把握して、良質で快適な睡眠に向けての一歩を踏み出そう!

思わぬ不眠症状がみつかるかも? “睡眠ストレス”セルフチェック

よくある:3点 ときどきある:2点 たまにある:1点 ほとんどない:0点

●床についてから寝るまでに30分以上かかる
●夜中、何度も目が覚める
●予定時刻より早く目覚め、2度寝ができない
●朝、目覚まし音に気がつかず寝過ごしてしまう
●ランチの後は、眠くてたまらない
●デスクワークや人との会話中、思わぬ居眠りで注意された
●日中、作業や家事をしていても一瞬、意識が飛ぶ
●イライラや不安感、疲労感、無気力感に襲われる
●日常生活で小さなミスや物忘れが発生しがち
●電車などでは、座った途端に寝る
●休日には昼過ぎまで寝ている
●睡眠時間や睡眠の質に不満を感じている

合計点数が
0~4点:心配なし。グッドスリーパーの素質十分◎
5~9点:黄色信号。気を抜かず生活リズムを整えて
10~24点:睡眠障害の疑いアリ。改善点を早めにみつけよう
25~36点:アウト! 1度、病院で診察を

※渋井先生への取材をもとに『週刊女性』が作成

 

〈プロフィール〉
渋井佳代先生◎スリープクリニック銀座院長。睡眠医療認定医。信州大学医学部卒業後、国立精神・神経センター国府台病院精神科睡眠外来などを経て現職。特に女性の睡眠障害に詳しい

菅原洋平さん◎作業療法士。ユークロニア株式会社代表。民間病院精神科を経て国立病院機構で脳のリハビリテーションに従事。脳の回復には睡眠が重要であることに着目し臨床実践

金子勝明さん◎睡眠健康指導士、睡眠環境・寝具指導士。東洋羽毛工業株式会社で営業企画や分析のみならず、眠りの研究を続け、睡眠講座の講師として全国を行脚