■チェックポイント(2) 接客

──なるほど! それでは、まずお店が整理整頓されているか、トイレがきれいかがチェックポイントですね。ほかにありますか?

井崎:接客です。僕は接客重視の男なんですよ。小さい頃から親父(福岡のハニー珈琲店主)に「お前の飯は、お客さんからもらった数百円のコーヒーでできてるんだ」とよく言われていて、それが自分の感覚として根付いてるんです。

 コーヒーは毎日飲むもので、僕たちは寿司屋じゃない。だから、接客は一にも二にも大事なことだと思います。接客が悪いと、うまいコーヒーもまずくなるでしょ。

井崎さんも登場する日本人世界王者10人の仕事論を掲載!『BREAK!「今」を突き破る仕事論』。画像をクリックするとamazonの購入ページにジャンプします

──確かにそうですね。井崎さんにとってはどんな接客が良い接客なんですか?

井崎:カフェブームと言っても、スペシャルティコーヒーって難しいな、頼みにくいなと思う人もいると思うんですよ。そういう気持ちをどれだけくみ取ってコミュニケーションできるか。いつでも来てください、わからないことがあったらなんでも聞いてくださいと。

 どんどん新しいカフェが出てくるなかで、尖ったことをしようとして接客がおろそかになっているところもあるかもしれないけど、それは本当にもったいないことだと思います。お客さんからしたら、また来たいなと思えるかどうか。それが最大の判断基準です。

 コーヒーのカンファレンスでトークセッションをすると、みんなコーヒーの超マニアックな話を聞けると思ってくるんですけど、僕はいつも成功するカフェの条件としてこういう話をするので、みんな「え?」みたいな顔をするんです。でも、これは大事なことだと僕らが言っていかないといけない。

 逆にいうと、お店がピカッと清潔で接客も温かくて心地よいというカフェがあったら、そこのコーヒーはおいしいと思います。

──おいしいカフェは飲む前にわかる、ということですね。ありがとうございました!