『ひよっこ』のオープニング。主人公・みね子の地元・奥茨城村をイメージさせる稲刈りなどの風景や、1960年代の東京を思わせる都会の様子を、ブラシや炊飯器、実寸大の時計などを使って映像で表現 (C)NHK

 田んぼに見立てた畳の上を走るレトロなバス、ブラシを“稲刈り”する農民、タイプライターの観客席から聖火ランナーを見守る人々──。

 今週からいよいよ始まった連続テレビ小説『ひよっこ』。そのオープニングで繰り広げられる、まるで小人の世界に迷い込んだかのような不思議な世界。日用品を別のものに見立てた背景と、ジオラマ人形風の人物や車などのCGを融合させた、“ちっちゃかわいい”映像世界は、どこかなつかしく、思わずほっこりさせられる。

ミニチュア写真を毎日1作品ずつSNS上にアップ

 この映像を手がけたのは、ディレクター・CGアニメーターの森江康太氏と、ミニチュア写真家の田中達也氏。番組プロデューサーによると「いろいろと参考図書を読みあさっているときに田中さんのミニチュアの本に出会った」ということで、ひと目見たら忘れられないオープニングの発想につながったそう。「その時代の空気を感じてほしい」という思いが込められ、ゆるやかな物語調になっている。

 そんな映像を手がけたうちのひとり、田中さんの作品を調べていくと、出てくる出てくる“ちっちゃい世界”。実は田中さん、“ミニチュアカレンダー”として、毎日1作品ずつSNS上にアップしている。

「ケーキのよいデパート」(C)TanakaTatsuya(MINIATURECALENDAR)

「2011年から始めたんですが、3か月後に自分の結婚式が控えていたので、最初はそれまでのカウントダウンみたいな感じだったんです。でも反響があったので、そのまま続けることにしました」

 ミニチュアカレンダー分だけでも、これまで作った数は2000以上!

「1つ作るのにだいたい2~3時間。人形は既存のものですが、必要に応じて色を塗ったり手を加えます。正確に数えたことはないのですが、ザックリ3000体くらいあって。だから収納が大変なんです(笑)」

 作るうえで、ルールは?

「“見立て”を入れることです。ただ小人の世界を作るのではなく、今あるモノを何かに“見立てる”。例えば、おにぎりで山、レタスで波を表現するなど、“〇〇で〇〇”といったワードに当てはまるようにしています」

 作った作品はどうしてるの?

「置いておく場所もないので解体してしまうんです。使ったモチーフは食べるなり、家電などは元の位置に戻したり。ちなみに人形は同じものが別の作品に出てくることもありますが、同じシチュエーションにならないように注意しています」

 アイデアを探しに〇〇へ行くことも。

「常にヒントを探していて、思い浮かんだアイデアはすぐにスマホにメモします。100円均一を半日くらいブラブラしてアイデアを探しに行ったり。1万円分くらい買うので、迷惑がられることもあります(笑)」