愛犬の”シニア教室”で情報交換を

 取材により介護の実際を学んだ高垣さん。愛が高齢になったら、やっておいたほうがいいことがあるという。

『犬の介護に役立つ本』の著者・高垣育さん
『犬の介護に役立つ本』の著者・高垣育さん
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「ワンちゃんは年のとり方が人間より早いですよね。病気の進行も早いので、老になったら半年に1度など、短いスパンで検診を受けることをオススメします。そして、老化のサインを見逃さず、気づいたらすぐにケアをする。獣医さんとのコミュニケーションも大切です。

 また、最近は動物病院やペット関連の施設などでシニア教室を開いているところが増えてきたので、そういう場に参加するのもいいと思います。同じくらいの年齢のワンちゃんの飼い主さんがたくさんいるので、情報を共有したり、介護のつらさを分かち合うことができます」

 次は、絶対に後悔したくないと語る、高垣さん。

取材で実感したのは、飼い始めたときに介護のことまで考えておいたほうがいいということ。と過ごせる時間は、残念ですが、限られています。ある日、急速に老化を実感することがあるかもしれません。だからこそ、空気のような存在と思わず、ある程度の覚悟をもって、ワンちゃんとの毎日を楽しく過ごしてほしいですね」

 うちのワンちゃんは、まだまだ元気。そう思っていても、老化は必ずやってくる。サインを見逃さず、たくさんの思い出を作って、後悔のない最期を迎えさせてあげたい。

<プロフィール>
高垣育さん◎1978年、福岡県生まれ。薬剤師、ライター。医療分野をメインに取材・執筆活動を行っている。