昔は逃げてばかりだったけど……

木村文乃 撮影/伊藤和幸
木村文乃 撮影/伊藤和幸
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 会話中も笑みがこぼれ、仕事もプライベートも充実していることがうかがえる。

もちろん落ち込むこともありますよ。でもそんなときこそ、とことん落ち込んで、自分を落とし込みます。普段の私はどちらかと言えばローだし、ネガティブに入りがちなんです。

 でも、“笑顔が可愛い”って言ってくださる方も多いので、じゃぁ、可愛い笑顔でいられるようにしようって意識しています

 そう述べて笑顔を向ける木村。さらに、こちらも思わず笑顔になる、30センチ髪を切った際のエピソードも語ってくれた。

「このドラマの前後で、バッサリ髪を切ったんです。切った髪でカツラが作れるというので、もらって帰ったんですけど……いまだに放置(笑)。これまでは“切る理由”がなくて伸ばしていただけなので、特に切ることに抵抗もなくて。結果、切ってよかったですね。お風呂の時間も10分短くなりました(笑)」

 女優という仕事は、自分をどれだけ開放できるか、どれだけコントロールできるか。昔の自分に何か言ってあげるとしたら、どんな言葉をかける?

「昔は何ごとからも逃げてばっかりで……。だから過去の自分には“苦労から逃げるな!”って言ってあげたいです(笑)。私はデビューが早かったのですが、忙しくなったのはこの5年くらいで。もしあのとき逃げてなかったら、もう少し早く仕事いただけていたのかなって。

 でも、今はこれでよかったとも思えるんです。逃げてきたからこそ、逃げたあとのことが想像つくし、今も踏ん張れる。もし私に今、期待していただいている方がいらっしゃるなら、その気持ちには絶対乗っかりたいし、全力で応えたいです」