うまみ成分でガンの発症リスクも低減

 最近オランダで行われた研究でBMI(Body Mass Indexの略 健康診断の検査項目の1つ)が25以下の肥満でない人は、食事からのグルタミン酸の摂取量が1%増えるごとに大腸がんを発症するリスクが、42%低下することがわかりました。日本人の3・5人に1人ががんで亡くなる時代 ・なかでもがんの部位別罹患率は大腸がんが1位と非常に多いことから、だしを飲むことで少しでもリスクを減らしたいものですね。

うまみ成分は新陳代謝を助ける働きも

 イノシン酸やグアニル酸などの核酸は細胞の新陳代謝を助ける働きがあります。かつお節にはイノシン酸だけでなく、アンセリン、カルノシンという疲労回復に役立つ成分も含まれています。たんぱく質の多いかつお節は、アミノ酸の一種であるトリプトファンを含み、体内でセロトニンの材料となりますから、リラックス効果も高いのです。

味噌汁はコンディションを整える機能性飲料

 発酵食品というと、みそ、しょうゆ、ヨーグルトなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、かつお節も、かび付けをし、発酵させてつくられるので、発酵食品になります。発酵食品は腸内環境を整え、免疫機能を活発にします。

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 つまり、味噌汁はだしと味噌の相乗効果で胃腸の働きを整え、リラックスをすることができる日本人古来の機能性飲料だったのです!

 アスリートが海外遠征時に持ち歩くのはコンディショニングの一環だということです。グルタミン酸は、昆布以外にもお茶、のり、トマト、白菜、チーズなどにも含まれます。海外出張や旅行時にだし汁が飲めないときには、お茶や、トマトジュースを飲む、チーズを食べるようにしてもよいでしょう。

 他、だしは水分補給の役割もあります。体内には約60%の水分があり、不足すると疲労の原因になります。が、そば、うどんのだしは塩分が、ラーメンのだしは脂肪が多く含まれるため、全部飲み干さず、残すようにして、お水をしっかりとっておくとよいと思います。塩分のとりすぎはむくみ、脂肪のとりすぎはエネルギーオーバーの原因になるので注意しましょう。