横山だいすけ 撮影/齋藤周造

僕はとにかく学校が大好きな子どもでした。夏休みなのに、先生に会いに学校へ行っちゃったり。いたずらっ子でよく怒られていたんですが、例えば、宿題のドリルを半分しかやっていなくて先生に“来なさい”って呼び出されても“は~い!”って元気よくついていく、そんな子でしたね(笑)

 NHK『おかあさんといっしょ』のうたのおにいさんを、惜しまれながらも卒業した横山だいすけ(34)。現在放送中の『警視庁いきもの係』で連ドラ初出演を果たすなど活躍の幅を広げている彼だが、『映画くまのがっこう&ふうせんいぬティニー』では、主題歌に初挑戦!

「“親から子どもへ”というメッセージが込められているんですが、僕は親になったことがないのでどう表現するのが正解かわからなくて。じゃあ、まずは親が自分にしてきてくれたことをきちんと受け止めようと思ったんです」

 この機会に、母に昔のことを尋ねてみたという。すると――、

「“あんたは小さいころね~”から始まり、1聞いたら100返ってくる勢いで(笑)。大切にされていたんだなって思いました。同時に“そうだった、こんなことしてもらったな”って、心の片隅にあったものが甦ってきて。子どもたちが大きくなってこの曲を聴いたときに、ふと昔のことを思い出すような、そんな存在になってもらえたらうれしいです

 “僕を選んでくれた以上、150%の本気を出したいです”と笑顔を見せる横山。いつも明るく前向き。そんな彼の存在に励まされる子育て中のママたちも多い。その元気の源は?

もちろん落ち込むこともあります。でも、僕は歌っているときがいちばん幸せで。好きなことを仕事にできているのと、子どもたちと関わることで自然と笑顔になれているんだと思います。

『おかあさんといっしょ』は親御さんも見てくれる番組なので、いろんな世代の人たちにも純粋に笑ってもらえるような番組にしたくて。人を喜ばせたいっていう気持ちの中で、だいすけおにいさんというキャラクターが生まれて、それがそのまま横山だいすけの性格の一部になったんです」

おにいさんが恩返ししたい人

 そんな中で横山が人一倍、大切にしていること。それは“人とのつながり”や“出会い”だそう。

昔から器用な性格ではなくて、何をするにも3倍やらないと人並みにできなかったんです。そんな中で多くの人たちに支えてもらったりして。今まで出会った人の誰がいなくても、今ここにくることはできなかったと思います

子どもたちとも共演。「ヘン顔、何百種類もできるんだよ」と言う子どもに対して「じゃあ、今度教えてもらおうかな!」 撮影/齋藤周造

 なんと幼稚園から大学まで、ほとんどの先生とは今でも付き合いがあるというから驚き!

「僕にとって先生は“第二の親”。小学校の先生なんてしょっちゅう会ってます(笑)。今でもすごく応援してくれているんですよ。これからは恩返しの意味も含めて、もっともっと頑張っていきたいと思います」

 もはや変顔は“代名詞”でもあるけれど、家で練習しているの?

いやいや、練習はしていませんよ!(笑) 実は参考にしているのは、子どもたちなんです。男の子が恥ずかしがったりすると、モジモジしたりするじゃないですか。そういうのを見たりすると、よしこれだ! って思い、メモメモって(笑)」

 ズバリ、うたのおにいさんもカラオケに行く!?

「まだ片手で数えるくらいしか行ったことがなくて。行ったとしてもタンバリン役か飲み物を頼んだりするオーダー役(笑)。ずっと合唱団に所属していたので実はマイクを持って歌うのが苦手なんです。自然に歌うのが好きで、鼻歌を歌ってたりすると“なんか楽しそうだね”って周りの人たちからよく言われます(笑)

<出演情報>
『映画くまのがっこう&ふうせんいぬティニー』
2つの大人気絵本シリーズが映画化され同時上映。横山が歌う主題歌『さよならだよ、ミスター』は、いきものがかり・水野良樹が作詞作曲を手がけ、コーラスには本田紗来が参加。