舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第17回は浦井健治さんが平方元基さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年9月19日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から浦井健治、平方元基 撮影/森田晃博

役者じゃない仕事をしてたとしても、元基とは普通にいられるなと思った

――おふたりは何でこんなに気が合うようになったと思いますか?

平方 いつ会っても変わらなかったからかな。演劇的な立場ではどんどん上に行っても、健ちゃんは健ちゃんのままだった。

浦井 ああ~、それはいつも言ってくれてたね。僕は、役者じゃなくて違う仕事をしてたとしても、元基とは普通にいられるなと思ったから。実は、ご飯も元基と一番行ってるんじゃないかな。

平方 うん、楽だよね。気を使わないから……。気を使えよ! って?(笑)、ごめんね。

浦井 いやいや、使わなくていい(笑)。だって、僕が2人でご飯行くのって、芳雄さん(井上芳雄)と育(山崎育三郎)と元基くらいだもん。

――2人でご飯に行くと、どんな感じなんですか?

浦井 だいたい焼き肉食べながら、普通に遊びの話とかくだらない話をして。で、人生相談と(笑)、ちょっと芝居の話をして。

平方 そうだよね、芝居の話より人生の話とかする。これからどうなっていきたいとか。

――お酒を飲まない浦井さんと2人でも、平方さんは遠慮なく?

浦井平方 ぜんぜん飲んでる(笑)。

――(笑)テンションに差が出ちゃうんじゃないですか?

浦井 僕がお酒を飲まなくてもテンションが高いから、差がつかないんですよ。僕のほうがハイテンションで、元基が飲んで追いついてくるみたいな(笑)。

平方 そう、健ちゃん、待って待って! って(笑)。

――浦井さんから見て、弟分の平方さんのかわいいところは?

浦井 素直なところ。あと、真面目をちょっとだけ恥ずかしがるところ(笑)。

平方 フフフフフ。

浦井 マモちゃん(宮野真守)のラジオに2人で出たときにね、イケメンヴォイスのコーナーがあって……。

平方 ああ~、それバラすのやめて~!

浦井 アハハハハハ! その番組でマモちゃんがヴォイスプレゼントをしてて。「僕は何たらで何たらで……愛してるよ」みたいなことを言うんですよ。それをゲストの我々に振ってくれたんで、先に僕がやって、「はい、次は元基」って振ったら、も~。「僕、そういうの無理~」ってなって(笑)。

平方 一応やったんだけど、もう耐えられなくて、ウワ~ってなって。「マネジャーNG出して~! 絶対、無理無理無理」って(笑)。そういうのホント恥ずかしい。役だったらできるんだけど。

浦井 役だとあの手この手で攻めるんですよ~(笑)。

平方 正直、入り待ちとか出待ちとかもすっごい恥ずかしいんですよ。役がないときの自分は、もう消えてなくなりたいくらい嫌で。ホントはすごい自信ないんだよ。役があるから、やっと皆さんに見ていただけるけど、それ以外のときはホントに見ないでほしい(笑)。

浦井 アハハハハハ! 俺、こういう元基が大好き!

浦井健治、平方元基 撮影/森田晃博

いつ役になるスイッチが入るのか知りたくて、健ちゃんの楽屋に行ってた

――平方さんから見て浦井さんのかわいいところは?

平方 え! 基本的にそのままでかわいいでしょう、浦井の健治さんは(笑)。ただ、カチッとスイッチが入って舞台上でバンってやってるものを見ると、やっぱり兄貴だなと思う。本番中に舞台袖とかですれ違うときにも、しゃべりかけられない。

浦井 ほんとに?

平方 しゃべりかけらんないよ~。集中力がすごいんだと思う。なんか、集中力すごそうなタイプに見えないじゃないですか? 健ちゃんって。

浦井 普段は集中してないんだよ(笑)。

平方 普段、俺としゃべってるときは、集中力を要さない会話が多いから(笑)。いつ役になるスイッチが入るのか知りたくて、『王家(の紋章)』のときも健ちゃんの楽屋まで行くわけですよ。

浦井 っていうか、元基はいつも誰かの楽屋にいるさびしん坊(笑)。

平方 うん。健ちゃんがメイクしたりカツラつけたりしてる間、健ちゃんのヨガマットでゴロゴロしてた(笑)。

――それで浦井さんが役に入る瞬間は目撃できたんですか?

平方 俺がいるとやかましいから、たぶん変身できないんだと思う(笑)。

浦井 (笑)。でも、真面目に答えると『ヘンリー六世』以降くらいから全く緊張をしないで、板の上と楽屋、同じスタンスで、そのまんま立てるようになったんです。結局自分は自分なんだから、それ以上のことは出せないんだって無理をしなくなった。だから、実は7割しか役には入ってなくて、あと3割は空白にしてるんです。それは手を抜いてるんじゃなくて。

――空白にしてる3割は、俯瞰(ふかん)で見ているような感じ?

浦井 それに近いですね。あと山口祐一郎さんが、王に見せるのは周りの仕事だからって言ってくれたんです。だから、そういうふうに元基が思ってくれたってことは、スタッフさん含めて周りの人たちが、僕を王として扱ってくれてるからそう見えるだけなんだと思う。

平方 う~ん。健ちゃんは器が大きいから、舞台の上で冷静だし、見せ方をすごくわかってるんだなって思う。無理してないから、お客さんもそれを素直にスッと見られるんじゃないかな。そのスマートさはマネしたい。

僕と付き合う女性は、1つのアトラクションととらえてもらえれば(笑)

――恋愛についても聞かせてもらいたいんですが、恋愛をする場合は、自分がリードしたい? それともリードされるほうが楽?

平方 僕は案外、九州男児なんですよ。

――じゃあ俺について来いって感じ?

平方 と、思うじゃないですか。

浦井 九州男児ってそうじゃないの?

平方 違うんだよ。ついて来いって言ってるんだけど、実は全部、奥さんの手のひらの上で転がってるんですよ。だから、外では男を立てろって言うんだもん。

浦井 なるほどね~。

――平方さん自身も、女性に仕切ってもらったほうが楽みたいなところはある?

平方 でもね~、僕を仕切るってすごく大変だから(笑)。

浦井 だと思う。

平方 だから、出会ってくれた人はものすごく大切にしています(笑)。

浦井 アハハハハハ! でも、元基といたら日常が楽しくなると思います。簡単にスッといくよりは、少し大変なほうがいいんじゃないですかね、人生的には(笑)。

平方 うん。まあ、なんか1つのアトラクションととらえてもらえれば(笑)。

浦井 名言だね。“俺アトラクション”(笑)。

平方 最初は振り回されて楽しんでくれるけど、振り回され過ぎると途中からもうダメみたい(笑)。

浦井 やめてよ~って(笑)。

平方 俺、怒られてもあんまり気づかないし、ダメみたい普通の人は(笑)。

――(笑)すごく大人な女性じゃないとダメですね。

平方 ああ~、それ助かる(笑)。

浦井健治、平方元基 撮影/森田晃博

――浦井さんは、恋愛は自分がリードしたい? リードされたほうが楽?

浦井 僕は一緒に遊べるタイプの人がいいですね。ともに歩むような。でも、ぶっちゃけ男が手のひらの上で転がされたほうが、家庭もうまくいくような気がする。

――好きな女性が現れたら自分からアプローチしますか?

平方 人によるかな~。

浦井 俺は即効で行っちゃう!

平方 あ、そう。でも俺もおしゃれに考えてる風にしてみたけど、だいたい行ってるんだよ、自分から(笑)。なんかもう、「逃すな」って思うもん。今だって思ったら行かないと。結果ダメでもね、逃すよりはいいかなと思って。

浦井 うん、女性に対して気持ちを言わないことって失礼だと思うし。キレイなものはキレイって言ったほうがいいと思う。

平方 素晴らしい! さすがだね。

浦井 でも、僕は褒めすぎて信用されなくなるタイプ(笑)。

――最後に、お互いは改めてどういう存在ですか?

浦井 弟です。戦友でもあるけど、弟。これからもたぶんずっとね、どこにいても弟として一緒にいる人なんだろうなって思います。

平方 お兄ちゃんだけどね、ある意味、神的なときもあるんですよ。自分が困ったときにパッと出てきたりすると。

浦井 アハハハハ!

平方 悟り開くのって僧侶?

浦井 僧侶とか仙人とか。

平方 健ちゃんは、いろんな見えないものが見えてるんですよね。やっぱり大きいの世界が。

浦井 そうでもないんだけど。

平方 お兄ちゃんなんだけど、もっとおっきくなっちゃってるんだよな、最近。
わかった! お兄ちゃんが仙人だったてことで、どう? ってことに今回の取材で気づいた。

浦井 ありがとうございます(笑)。

スペシャルQ&A【浦井健治編】

――平方さんには言ってないけど、感謝していることは?

浦井 常に、健ちゃん健ちゃんって言ってくれてたり、大好きオーラを出してくれて(笑)、それを公言してくれてるっていうのが僕にとってもすごくありがたいことなんですよね。頑張っている後輩が、目標としているとか好きだとかって言ってくれて、“そう思ってくれてたんだ”って、素直に嬉しいです。仲良くいられて、なおかつ信頼してくれていることは、心の支えにもなりますね。あとは、元基が常に仕事を途切れさせずに毎回果敢にトライしている姿が刺激になって、自分も頑張ろうって思えます。

――平方さんに直してほしいところは?

浦井 強いて言うなら、悩むこととか臆病になることが元基の役者としての武器だとは思うんですけど、それがたまに行き過ぎるときがあるんですよね。そうすると、見ていてちょっと危う過ぎて心配になるときがあるから、もうちょっと自分に甘くしてもいいんじゃないっていう(笑)。できているのに、自分に対する厳しさがあるんで、もうちょっと柔らかくしてもいいんじゃないかなって。それ以外はないですね。そのまんまのおじさんになっていってほしい(笑)。

――スマホの今の待ち受け画面は?

浦井 日によって替えてます。わりと好きなのはキャラクターもの。例えば、ギズモ、ヨーダ、E.T.とか……。さっき、元基が神社のイチョウの木を待ち受けにしてるって言ってましたよね(平方さんのQ&A参照)。そういうのだと、「何これ~」って話に花が咲くからいいなと思いました。そう思っても、結局しないんですけど(笑)。

浦井健治 撮影/森田晃博

――あなたにとって愛とは何ですか?

浦井 『王家の紋章』の細川先生方は、いろんな愛の形を描いているなと思うんですけど。純粋な愛って素敵だなって、メンフィスを演じていても思いました。家族愛とか純粋な愛とか、無償の愛っていうのものは、みんなが憧れるものであって、人間にとってのテーマというか課題なんだろうなって。僕が今愛を感じるのは、ファンの方々からです! ファンの方々の応援がないと今の僕はいませんし、時には「大丈夫?」って心配してくださったり、言葉をかけてくださったり。それは何ものにも代えられない愛だと思うので。

――自分のトリセツと、平方さんのトリセツを教えてください。

浦井 おいしいものを食べさせると元基は元気になります(笑)。なんか不安そうな顔をしてたら、お酒とおいしいものをあげておけば大丈夫。

 僕がちょっとヘコんでるかなっていうときには、ゲームとか漫画とかインプットできるものやリフレッシュできるものを与えてもらえると、気分の切り替えになりますね。あとはマッサージとか温泉とか、リラックスとメンテナンスができるところに行くとリセットされる気がします。インプットとリラックスを与えるとゴキゲンになる(笑)。

――生活用品でこだわっているものは?

浦井 美顔器ですね。喉の自然治癒を早めるために、水よりも粒子が細かいほうがいいそうなんです。朝と公演の間と公演後に喉の奥に向けて使っています。毎日必ずやっているので、家にも楽屋にも置いてますし、地方公演のときも持っていきます。あとは、ササの葉のエキスとビタミンと酵素を毎日寝る前に。基本は、風邪をひかないように免疫力を高めるためなんですけどね。体調管理の上で、なるべく自然に摂取しやすいものにしてます。

スペシャルQ&A【平方元基編】

――浦井さんには言ってないけど、感謝していることは?

平方 『王家の紋章』の初演のとき、大阪の梅田芸術劇場の千秋楽で、「大きな小屋の真ん中で元基、挨拶しておいで」って、センターに行かせてくれて。センターなんて恐れ多くて主役以外はなかなか立てないんですけど、初めて拍手喝采を1人であびて、健ちゃんが見ている景色を見せてもらいました。

 出会ってからずっと、公私ともに弟みたいにかわいがってくれて仲良くしてくれて、本当に感謝しています。僕がテンパってひたすら考え込んじゃうときもアドバイスをくれる、よき相談相手でもありますね、

――浦井さんに直してほしいところは?

平方 たまに変なムチャぶりをする(笑)。なんか周りを笑わせるために俺にムチャぶりして、「ほら、元基!」とか言うけど、全然その会話に参加してないのに、いきなり振られても困るから(笑)。でも……。健ちゃんに直してほしいところとかないよ~。むしろこれから変わられても困る。変わられたらどうしていいかわかんない(笑)。俺に付き合って、ちょっとはお酒飲んでくれたらうれしいなってくらいですね。

――スマホの今の待ち受け画面は?

平方 奈良の天河神社にあるイチョウの木の写真。芸能の神様の神社で、大阪公演の時に先輩に教えてもらって行ったんですけど、かなり山奥で途中もキレイな川が流れてて、景色がよくて自然豊かな場所にあって。ちょうど新緑の時期で、イチョウの葉の黄緑が目にもいいしなと思って(笑)、スマホでパシャッと撮って待ち受けにしました。なんかパワーを感じる神社だった。神社は、地方公演のときは観光がてら、けっこう行きますね。お参りして気持ちを落ち着かせて、舞台に挑もうかなみたいな感じで(笑)。

平方元基 撮影/森田晃博

――あなたにとって愛とは何ですか?

平方 愛って逃れられないものだと思う。だってどこに行ったって何かしらの愛がそこにあるわけで、ドラマだって、映画だって、舞台だって、自分の私生活だって、愛から逃げるっていうのは無理じゃないですか。愛についてはもう受け止めるしかないし、自分に湧きおこる愛情も、自分で制御できないことは起こりえる。

 お仕事に関しては、やっぱりファンの方の愛ってすごいですよね。愛される人でいたいなと思います。窮地に立たされたときに支えてくれたり、いつも励ましてくれる人の絶対的な愛情はやっぱり感じるし、そういう人たちには恩返ししたいなって常に思う。

――自分のトリセツ、浦井さんのトリセツを教えてください。

平方 俺は、お腹がすくと悲しくなる。ひもじいよ~ってなる(笑)。ズーンってテンション下がって無口になりますね。ちょっとおとなしくなってるときは、何か食べ物を与えれば元気になります。舞台中は集中して、あんまり食べられなかったりすることも多いんですけど、逆にそのほうがいいパフォーマンスができたりするので、空腹も嫌いじゃないんですよ。だから、舞台中おとなしくなってても、気遣ってくれなくて大丈夫です!

 健ちゃんのトリセツは、2人でご飯を食べに行けるようになったら、仲良くなれたと思っていいと思う。早めにこっちからオープンに、素直に行くことが、ご飯への近道(笑)。でも、無理やりどうにかしようとするとバレちゃうから、ナチュラルに懐に入っていく(笑)。

――生活用品でこだわっているものは?

平方 財布。長財布でお札を入れるところが3つないとダメなんですよね。領収書、1万円、その他の札って分けないと。ずっと使ってた財布がボロボロになってたんで、最近買い替えました。前は、面倒くさくてお金をビニール袋に入れてるときもあったし、伊達男に憧れてポケットにそのまま裸銭で入れてたりもしたんだけど、やっぱり財布に入れないとダメだって思って。ビニール袋のときよりも格段に金運上がった気がする(笑)。

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<プロフィール>
うらい・けんじ◎1981年8月6日、東京都生まれ。A型。’04年ミュージカル『エリザベート』ルドルフ皇太子役に抜擢。以降、ミュージカル、ストレートプレイにかかわらず数々の話題作に出演。『デスノート THE MUSICAL』(東京公演:上演中~9月24日新国立劇場 中劇場)に夜神月役で主演。舞台『ペール・ギュント』(12月上旬~世田谷パブリックシアターほか)、ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』(’18年2月7日~28日・日生劇場ほか)と主演作が控えている。

ひらかた・げんき◎1985年12月1日、福岡県生まれ。AB型。’11ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『エリザベート』など、数々の大作に出演。今後はミュージカル『レディ・べス』(10月8日~11月18日帝国劇場/11月28日~12月10日梅田芸術劇場メインホール)、ミュージカル『舞妓はレディ』舞台版(’18年3月博多座)に出演。12月21日には、めぐろパーシモンホールで平方元基プレミアムコンサートを開催。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/Emiy)